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Brave and Partners Online  作者: 岩越透香
第四章 第二の町

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クリスマス2

 私のコーデがついに完成した。三人に出して貰った意見も全て入れた、私の自信作だ。試しに一度着てみよう。


リン

種族:人間ヒューマン Lv.21

職業:仕立て屋Lv.9 【服飾の心得】

(料理人Lv.15)

HP:20/20

MP:34/34

STR:15(+22)

VIT:5(+15)

INT:5(+7)

AGI:5(-1)

【スキル】

使役 仲間強化 生産効率上昇 精密作業 装備効果上昇 回復魔法Lv.5 服飾Lv.22 調理Lv.14 細工Lv.5 解体Lv.3 MP回復Lv.7

【装備】

太刀鋏 STR:+22(服飾) 耐久:498

ベレー帽(赤) VIT:+1 耐久:500

六花のチョーカー VIT:+1 耐久:200

斜めかけショートポンチョ VIT:+2 INT:+2 耐久:500

ノースリーブニット VIT:+2 耐久:700

オペラグローブ(赤) VIT:+2 INT:+2 耐久:600

黒革ベルト VIT:+1 耐久:500

アシンメトリースカート(赤) VIT:+3 INT:+3 耐久:700

ショートパンツ VIT:+1 耐久:800

タイツ VIT:+1 耐久:400

サンタブーツ VIT:+1 耐久:300

残りポイント:8


 サンタブーツとタイツ、ベレー帽は市販のもの。だけど、ベレー帽は白いポンポンとベルをつけてクリスマス仕様にアレンジしている。


 個人的に、ポンチョタイプのサンタコスが好みだから、ポンチョは外せない。オフショルダーにするために、インナーはノースリーブに。ポンチョは斜めに使って、肩を片方出した。ポンチョの丈は胸辺りにして、ベルトをチラ見せする。


 スカートは布を四角いまま使って、不揃いなスカートに。くるりと回ると、かなり広がって、動きが楽しい。中が見えてしまわないよう、ショートパンツも合わせる。


 少し寂しかった首元には雪の結晶モチーフのチョーカーもプラス。結構可愛く出来たんじゃないかな。


 このゲームは十個以上装備すると、超過した分だけAGIがマイナスされてしまうらしい。私は武器を含めて十一個の装備があるから、AGIは一下がってしまっている。町の中にいる時は武器を持たないようにしよう。


 パートナーたちにはサンタの帽子か赤いリボン。それと、着れる子には私とお揃いのポンチョを作る。しらたまにはリボンとポンチョ、おはぎにはサンタ帽だ。兄と兄の知り合いの人たち用にも作っておこう。制作で貰える経験値は少し減っちゃうけど、同じデザインだし、性能は重視しないから、スキルでサクッと複製しよう。


 兄に着させる衣装はスーツっぽくする。赤いスーツに緑のネクタイ、赤いマントにサンタ帽を着させて、クリスマスの浮かれ野郎にしてやるんだ。リアルクリスマスに予定はなさそうだから、クリスマス期間はサンタ衣装で過ごしてくれるだろう。「せっかく作ったのに」と言えばきっと着てくれる。


 この前アドバイスをくれた二人の予定を聞いてもらおう。ふふっ、クリスマスが楽しみだ。



「リック、お待たせ。えっと、あの二人は?」

「アオイと、……ナルのことだな。少し遅れるってさ」

雑談していると、こちらに向かって走ってくる人が見えた。兄が手を振っているから、アオイさんとナルさんだろう。


「すみません、遅れました。そちらの方は?」

「リンです。よろしくお願いします」

二人にお辞儀しつつ目で「言ってなかったの?」と兄を責める。この顔は忘れてたな?


「この前、アドバイスを貰ったので、大した物ではありませんがお礼をしたくて」

サンタの帽子を取り出す。これはスキルで複製した物だけど、プレイヤー用もパートナー用も特に区別はないから問題なし。


「そろそろクリスマスイベントですので。赤い物を身につけているとサービスしてくれるお店もあるみたいなのでぜひ」

「ありがとうございます。プレイヤーメイドということはわざわざ作ってくれたんですよね」

「はい。でも元々パートナー用に作ろうと思っていたので。帽子が被れない子のためにポンチョもあります。良かったらどうぞ」

「貰いますが少し申し訳ないです。こちらは大したものを渡していないのに」

「俺はこいつの分も貰っていいか?」

「はい。ポンチョにしましょうか。しらたまとお揃いです」

装備させつつこっそりモフる。しらたまやユキちゃんは物を運んだり戦ったりするため少し固めだが、この子は可愛さ全振りだ。もう一回くらい触っても良いかな……。


「もう少し触るか?」

「良いんですか!?」

「あ、ああ。重いから気をつけてくれ」

手渡された瞬間にずっしりと感じる重み。十キロくらいはありそう。でも、ふわふわは格別だ。一生このまま触っていたい。


 顔をだらしなく緩ませていると頬をペちりと叩かれた。しらたまだ。他の子に目移りして嫉妬してくれたのかな。やっぱり自分の子が一番だ。この子の毛並みは少し、いやかなり魅力的だけど。


「ありがとうございます。お返しします」

「楽しんでいるようで良かったぜ」

ナルさんはモフらせてくれたというのもあって気にしていないようだったが、アオイさんは「一方的に貰うなんて」と思っているのか、顔色が少し暗い。


「皆さんのおかげでクリスマス衣装が上手く作れたことのお礼なので気にしないでください。もし、気になるならこれからも兄と仲良くしてください」

「二人は兄妹だったんですね」

「確かに、こいつを触った時のリアクションが似ているな」

「ユキちゃんがいるのに……。浮気?」

「ちょ、違うだろ! 兎一羽一羽に魅力があってだな……。そ、それを言うならリンだって浮気だろ!?」

「仲が良いようで何よりです」

私たちの喧嘩の様子を見てアオイさんが小さく笑う。


 初めはお礼を渡したら終わりだと思っていたけど、アオイさんと私の装備のことを話したり、それを聞いたナルさんに賄賂(ふわふわの抜け毛)を貰い装備を作る約束をしたり。想像以上に楽しい時間になった。


 ナルさんの要望はマントがある服で剣士っぽくてカッコよくて上から装備を着けられる服だ。兄以外に戦闘用の服を作ったことがないから少しワクワクしている。依頼料もかなり貰っているから良い物が作れそうだ。とはいえ、AGI減少のデメリットがあるから重ね着はさせられない。上に鎧を着けるだろうし。腕が鳴るなあ。

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