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Brave and Partners Online  作者: 岩越透香
第四章 第二の町

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鏡写し1

 鏡の中に手を入れて――なんてことは出来ないから、現実世界を変えろということだろう。一心草は隣の部屋にあったはずだ。取ってこよう。


 折ってしまわないように気をつけながら隣の部屋から持ってくる。幸いにも、何も起こることなく、鏡の前まで持ってこれた。


 鏡の前に一心草を置くと、ガタリと音が鳴って鏡が倒れた。鏡が外れると小さな空間が出来ていた。その中にはドライフラワーが数本入っていた。また鏡に使うのかな。


 この部屋には他に鏡はない。どこか、新しく開くようになった部屋はあるかと探してみたが、何も変わっていなかった。


 残りは下の階だけだ。魔物が居ても気が付かれないように、音を立てずにそっと降りる。地下二階には花瓶に入った花が映った鏡と扉があった。


 花はこのドライフラワーを使えば良いはずだ。どこからか花瓶を手に入れる必要があるな。


 地下一階に戻り、花瓶を探す。まず倉庫の部屋に行ってみる。……装飾品の類はなさそうだ。他に花瓶がありそうなのは……寝室か。


 宝箱が置いていなかった方の寝室に花瓶が置いてあった。特に花は生けられていない、空の花瓶だ。無事に花瓶をゲットできたので地下二階に戻る。


 ドライフラワーを花瓶に挿し、鏡の前に置くと隣の扉が開いた音がした。


 扉を開けると扉が何かにぶつかった。注意してよく見ると、床に鍵が落ちていた。鍵には羽を模したキーホルダーが付いている。


 俺が鍵を拾うと、背後からガタンという音が聞こえた。嫌な予感がして出口へ向かう。隙間風で強くなったり弱くなったりを繰り返す蝋燭の光も俺の不安を増長させた。


「くそ、開かない。イベントか?」

「ふふふふふ。あはははは」

「だ、誰だ!」

子供のような大人のような、不気味な笑い声がこだまする。


 寒気を感じて振り返ると、半透明で口が裂けるくらい笑っている人がいた。蝋燭の光が一瞬強くなった。地面に落ちていた鏡の破片にその姿が映った。


「鑑定!」


レイス Lv.5

HP:100/100


 レイスといえば幽霊、幽霊といえば物理無効! つまりイブキ以外に攻撃手段がない。……もう少し魔法攻撃手段を用意するようにしよう。


 HPが少ないのは助かる。これならイブキのMPが尽きる前に倒せそうだ。


「イブキ、攻撃は頼んだ! 他のみんなはレイスの位置を捕捉したり警戒したりしててくれ!」

イブキは魔力吸収を使ってあっという間に討伐した。そうか、それがあったのか……。


 呆気なさに呆然としつつ、扉が開くか確認する。レイスを倒すと扉の鍵は開くようになった。レイスは中ボスだったのだろう。


 エリアボスのトレントといい、今回のレイスといい、妖精は本当にチート級の強さだよな。反対に妖精自身も魔力吸収には弱いから注意しないといけないか。


 鍵の他にあるのは膝に乗せられる程度の大きさのハープだけだ。これは戦闘の邪魔になるから持って行くのは嫌だな。ひとまず置いていこう。


 探索を終え地下一階へと戻る。さてこれはどちらの鍵だろうか。



 羽のキーホルダーの鍵で開けられたのは木製の方だった。この部屋は執務室のようだ。


 本棚があったので何かないかいじって確かめる。謎解きでは本棚に何かが隠されていることが多いのだが、ここの本棚はそもそも本が取り出せず、動かすことも出来ないようだった。残念だ。


 机の横に鍵が掛けてあった。本の形をしたキーホルダー付きだ。これが隣の金属の扉を開ける鍵だろう。探索も終わりが見えてきたな。



 キーホルダーが本だったのはこの部屋が図書室だったかららしい。壁面にはずらりと本が並び、部屋の中央には本を読むための机と椅子がある。


 何ヶ所か本が飛び出ているところがあった。どうやら、飛び出している本は取り出せる読める本らしい。「創世神話1〜原初の神々〜」「七つの大悪魔」「鏡の聖典」の三冊とこの神殿のものと思われる地図を取り出すことが出来た。


 まずは「創世神話1〜原初の神々〜」を手に取った。本を開こうとすると自然に開いた。



 世界は無であった。そこへ現れた一柱の神、創世の神は四つの神を生み出し、「この世界を発展させるように」と命じた。


 五柱の神々は大地を、海を、空を作りなさった。最後に生命を作り出すと創世の神は力を使い果たし、生まれ落ちた場所で眠りについた。


 創世の神が生まれし始まりの地を守るため、四柱の神々は四大元素を司る神を生み出し、その地を守護させた。



 ここはこの世界の設定を知るための場所か。なら、「七つの大悪魔」を読めばキララのことが何か分かるかもしれない。



 …欲、……………、憤…、……、…欲、怠…を……へと人を…く七つの…と定め、………を…る……を…魔と呼ぶ。


 これらは…の…によって………し……であり、………ながらにして…を………存在で……。



 これ以上は千切られてしまっていて読めない。読むことが出来る部分も掠れていたり、文字化けしていたりしてほとんど読めない。どこかで完全版が出てくるフラグかもな。


 最後に、「鏡の聖典」を開く。



 鏡は目に見えぬ真実をも映し出す。清く生きたくば鏡を見よ。


 真実の鏡を見るならば、天の使いの前で調べを奏でよ。さすれば道は開かれん。



 真実の鏡の場所を確認するために地図を開く。真実の鏡はどうやら執務室の上の辺り――つまり地上にあるようだ。


 地上に部屋はなかったはずだ。扉らしきものもなかったし、入ってすぐに階段だったからな。


 流石に壁を破壊するのは無理そうだ。どこかに抜け道があるんだろうけど……。だいぶ長く遊んじゃったし、今日は終わりにして明日考えよう!

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