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第26話 お金がない

皆様にたくさん読んでいただいたお陰で、5000PV突破しました!

う、嬉しいです!

ブックマーク登録や文章評価ポイント、ストーリー評価ポイントなど、入れていた方々、本当にありがとうございました! とっても励みになってます。


感謝の気持ちを込めて、今日はもう一話投稿させていただきます。


お楽しみいただけますように……。





 予想外にリノと会って時間が押しているので、急いでボトルゴードの町まで戻りたい旨伝えると、自分も冒険者ギルドで新規登録をしたいので早く行きたいからと了承してくれた。


 ちょっと心配だったけど、単にお腹が空いてただけで、大丈夫、走れるとのことなので、軽くランニングする速度で走っていった。

 さっきまで空腹で倒れてたって言うのにすごい体力でびっくりだよ。




 すぐ東門に着いたので、そこから町に入って、早速ギルドに向かうことにする。


 道すがら、初めて見る町の様子に彼女ははしゃぎっぱなしだった。


「すっごい立派な城壁でしたね、これなら魔物が襲ってきても全然怖くないです!」


 そうね、私もそう思う。


「レンガの家もこんなにあるなんて! 道までレンガで舗装されている! こんなにたくさんのレンガ、初めて見ました!」


 まあ、所詮、ほぼ全方位森だし材木はたっぷりとあるからね。焼き放題でしょ、レンガ。


「わあ、噴水も時計もあるんですね、この町。すご~い! 屋台もいっぱい! この果物見たことないやつです、どんな味するんでしょう? 茸たっぷりのスープも、甘草を練り込んだお菓子も、お肉の屋台もいっぱいある~! 串焼肉の美味しそうな匂いがもう、たまりません~!!」


 あ、その屋台のやつが君が食べたのと同じのだよ。魔道具より何より、関心は食べ物一択ってか?


 ほら、そんなにピョンピョン跳び跳ねないっ。

 どことは言わないけど、たゆんたゆん揺れて大変な事になっちゃってるから! ロリな人に拐われちゃうよ!?


「なんかローザってうちの母さんみたいです、ふふっ」


 いやだってなんかほっとけないんだもん、危なっかしくって。ついつい構っちゃう。


「で、これが例のパンの木ですか! 本当にあるんですね! じゃあ早速おひとつ頂いて……」


 うんうん、分かった分かった。後でいっくらでも食べれるから!


 っていうか君、さっき食べたばっかでしょ、明日の私の昼食を!


 まだ食べる気!?


 何だろう、リノが特別大食いなのか、それともこの世界の人族みんなこうなのか……。


 でもまず先にギルド! 行こうね!!




 本日二度目のギルドは走って帰って来たおかげで夕方前に着けた事もあり、待ち時間は少なかった。


 入り口でリノと分かれて、それぞれ手続きを済ませる。


 今回の窓口担当はエドさんじゃなかったけど、やっぱり手際よく、すぐに清算してくれた。


 虫根コブ草は、あまり採取してくれる冒険者がいなくて品薄の状態なんだとか。

 下級ポーションを作るのに必ず必要なので、採取出来る冒険者を探していたらしい。

 今ならいつもより報奨金も上乗せされるので、是非、採ってきてくれないかとお願いされたので、了承しておいた。

 あの場所にまだまだあったし、明日も午後はまた、東の草原へ行って採取してくることにする。 


 リノも無事、新規登録できたようで、今日泊まる宿もしっかり聞いてきたみたい。

 予算内に収まるところがあってよかったとほっとしていた。


「そういえばローザはどこに泊まってるんですか?」


「ギルドから近い、とっても美味しい料理を作ってくれる女将さんがいるところだよ」


 その話にたちまちリノが食いついてきた。まあ君なら絶対、興味を持つと思ったよ。


「じゅるりっ、お、美味しい手料理……ち、ちなみにそこってお値段はっ?」


「一泊朝夕食事付きで銅貨七枚、ちょっと高いよね」


「で、ですね。銅貨七枚ですかぁ……。とてもそんなお金持ってないです。でも夕食だけならなんとかいけるかも!? 私もそこに泊まれるように頑張って稼ぎますね! そしたら、今日のお礼にその女将さんの美味しい料理、おごりますから!」


「うん、一緒に食べようね」


「はい、必ず!」


 なんか、食べ物に散財しそうで心配だけど、気長に待っとこう。


 ちなみにリノも数日後に行われるスライムの講習会を受けることにしたらしいので、そこでまた会う約束をしてそれぞれの宿へと向かって行った。



 ちなみに先程の買取価格は64シクルで、午前中に稼いだ中からさっきのお昼代を差し引くと……201シクルになった。


 ここから紙装備を何とかするために、防御力があって私でも買えるやつを、鍛冶屋の親父さん、ブルボさんに相談してみた。


 革鎧はお値段的に無理だったので、今後、革鎧を買う際、その下に着る丈夫な布と皮でできた鎧下を選んで貰った。


 それを200シクルで買ったら……。


 またまた有り金がちょっぴりに。現在、明日の宿代も払えない状態です。


 かろうじてお昼代くらい残ったけど、でも百円分だけって、悲しい……またしても女将さんの美味しい昼食が買えないよ、あと半額足りない!

 絶対、小学生のお小遣いより少ないよね、これ……。


 おかしい、どうしてお金ってこうすぐ出て行っちゃうのかな。


 リノじゃないけど、私こそ頑張って稼がないと、明日、野宿することになるよ!


 はあ、貧乏って嫌いだ……。


 



 ◇ ◇ ◇





 翌朝。


 夜明け前に起きると、いつものように魔法操作で体の中の魔力を循環させていく。


 起き抜けにこれをすると、寝起きでぼんやりしてた体がシャキッと目覚めるんだよね。


 荷物を全部持って朝食を食べに一階へ降りると、パーティーなのかな、四人掛けのテーブルがひとつ埋まっていた。なんか楽しそう、いいなあ。


 今日もここに泊まりたい旨を女将さんに伝えると、同じ部屋を開けて夕方まで待っててくれると言ってくれた。


 荷物もカウンターで預かると言ってくれたので、ご好意に甘えることにした。正直すごく助かる。いい人。


 今朝のメニューはサイコロステーキと、パンの実を蒸して潰してから調味料で和え、マッシュポテトみたいにしたやつ。

 それに大きく切り分けられた果物が一切れ、ワンプレートに盛られている。ざっと見た感じ、普通の食材だし安心して食べられそう。よかった、いい匂いです!


 パンや米は高いのであまり出て来ず、朝はもっぱらパンの実がでてくることが多い。


 この世界の農家は、小麦や米よりパンの木の方をよく栽培しているらしく、品種改良されて冬に実をつけるものまであるみたい。

 何本か異なる品種を植えておけば年中収穫可能で育て方も簡単な上に、乾燥させて保存もできるので重宝されているようだ。


 朝からガッツリと肉を食べるのにも慣れてきた。

 この宿は、素材を生かした味付けで薄味な事もあって、全部食べても胃もたれしないのがうれしい。


 サイコロステーキもマッシュポテト風のパンの実も、女将さんが作った香草のソースに絡めて食べると、また味に変化が出て美味しいんだなこれが!


 果物も甘過ぎず瑞々しくていい感じ。


 結構な量があったのに完食してしまった。だって、美味しかったんだもん!今日もいっぱい動くからいいんだ!


 しかしこの果物美味しいな。


『鑑定』してみると、ウルルの実といってこの季節に採れる果実らしい。そういえばギルドの採取依頼にもあったねこれ。


 北の森でも採取可能らしいけど、この大きさだと量を持ち帰れないなあ。

 切り分けてあってこれだとメロンぐらいの大きさがありそう。


 積極的には探さないけど見つけたら自分用に採りたいな!






ここまでお読みいただきありがとうございます!

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