第18話「行き先はジャパン!」
その頃ニューヨーク。
チャーミーとギブソンは異変に気付いていた
「何、今の揺れと魔力の波動は?
地球最深部に到達するかくらいの勢いだった。一体何事なの?」
ギブソンは青い瞳のチャーミ―の言葉を待っていた。恐らく答えは……。
「ギブソン、これは、そう言う事だよね」
「はい」
「魔法少女が私の他にもいる。うん、それは分かってたの。だけど」
「どうしますか、お嬢?」
「天使達や今後の動きが見えないケピュラスの月に対抗するには人手は多い方が良い」
「そうですね」
チャーミ―は少し垂れた目をキッと釣り上げて「助けに行かなきゃならないわね」と言った。
「ギブソン。パパに連絡を取って」
「分かりました」
ギブソンは何処かに電話している。その間に到着したプライベートジェット。
「もう。大統領もせっかちねぇ。まだ子離れできていないのかなぁ」とチャーミ―は苦笑い。
「行くわよギブソン!」
「はい」
2人はジェット機に乗り込んだ。行き先はジャパンだ。
順調に航行する大型ジェット機、だったが突然ドスン!
飛行機の上に衝撃音が走った。
「ああ、危ない!」操縦しているギブソンがビビって慌てふためいている。チャーミ―は落ち着いた顏で人間でも空で轢いちゃったかしらと微笑。
そして突然上部のハッチが開かれ人が入ってきた。それは懐かしい2人だった。
「岩鉄!サリア!」
「お嬢、お2人でしっぽりですか。我々を忘れないでくだせぇ」
「そうなのですぅ」
「岩鉄さん、物騒な物、機内に持ち込まないで下さい」
ギブソンは6発装填のロケットランチャーを肩に担いでいる岩鉄に言った。
岩鉄はガッハッハ、あいすまねぇ、相棒がいないと不安なんだと日焼けした顔に笑い皴を浮かべた。
サリアはメガホンを持っている。岩鉄やチャーミーと同様にアーミーグリーンの軍服を着ているが、胸の膨らみのラインが唯一違う点だった。
「サリア、馬鹿程胸が大きいってホントよね!」とチャーミ―は言った。
「お嬢、会うなり皮肉止めて欲しいのですぅ」
「統計上の話よ、アンダースタン?」
恐らく2人も魔力の波動を感じて秘密裏にチャーミ―の様子を窺っていたのだろう。で、無ければ乗って来た10,0000ドルのプロペラ機を捨て駒にしてまで追って来ない。「事情は飲みこめているの?」チャーミ―は2人に聞いた。「それが……」2人は黙った。
そして「どうも天使とは違う魔力の波動を捉えたもんで心配になったんだがなぁ」と岩鉄は重い口を開いた。センターでも異変は感知していて分析の結果を2人は聞いた、そんな所だろう。まぁ仲間は多い方が良い。この2人も只者では無い。チャーミ―の一族お抱えの軍部機関で最高成績をおさめた男と女である。助かる。チャーミ―はまた何事も無かったように窓から青い空を見ながら思案に耽り出した。




