この期に及んでまだ誘う?-3
「週末、暇?」
「――なんで?」
さすがに学習するよね、妹相手の時は安請け合いしちゃいけないって。
「お寺さんで清掃活動と…」
ほらね。
「アンタさあ、いったい何考えてんの?」
「何が?」
「アンタが良いと思っているものを悪いとは言わないから、アタシが良いと思っていないものを『良いでしょ』って強要しないでって言ったよね?」
途端に黙り込んだ妹。
「そもそも宿泊セミナーに行く前に『今回きりで良いから』『嫌だったもう誘わないから』って言ったから折れてあげたの忘れたの?」
「そんなこと言った覚えないけど」
はああああああ? 何言ってんの!? 録音しておけば良かった!
「自分が素晴らしいと思ったものを私にも体験してほしい」
「ネットからの聞きかじりではなく自分で実際に体験してから判断してほしい」
「終わってからどんなに罵られてもいいから一度でいいから参加してほしい」
「38万円は自分のために喜んで自分が払いたい」
とか何とか言いながら号泣し続けた挙句、ウチに平日の朝四時まで、六時間も居座ったじゃん? ――ああ、私を引きずり出せれば儲けもので、アレ全部、口から出まかせだったのか。
「それより何がそんなに嫌なの?」
「BAさんも何がそんなに引っかかってるんだろうって心配してる」
「自分が話をしに来てもいいって言ってくれてる」
うわうわうわうわ、怖い怖い怖い怖い! 無理無理無理無理!
コイツ言葉が通じない!
「嫌なら縁切ってくれてもいいから」
うん、じゃあもうそうしよう。




