皇族方が四方拝?
そもそも仏教用語に「四方拝」なんて言葉はないようです。
閉め切ったオツムテンテン部屋で、集団で真っ昼間から正月祭祀「四方拝」を行なうとの指示が。
平安時代初期に始まり、歴代の「当代の天皇」(=今上)が元旦の寅の刻(午前四時頃)から内裏の清涼殿の東庭にてたったお独りで数時間かけて行なって来られた、御身と引き換えに「国家国民の安寧」を神々に祈願してくださる陰陽色の濃い正月祭祀「四方拝」を? 「真昼間から」? 「室内」で? 「集団」で? ――だとしたらなんで二泊三日にしたの?
それも、何の目的も明かされないままに、白装束の全員で正座して、部屋の四方の壁に向かってお念仏(いわゆる「南無阿弥陀仏」)を手早く唱えるだけって。しょぼいなあ、「念佛宗版四方拝」。「念佛宗」のことだから、どうせ目的は「来世で自分だけいい思いがしたい(=個人的欲望のため)」なんだろうけれど。それにしたってちゃんと儀礼書とか有職故実書とか確認したの? 確認してもこれ? 事前面談で「本物の儀式に参加できる云々」って同行とやらがぶち上げていた気がするけれど、それでこの程度? ――それとも何? まともに確認もせずに、「四方拝」って呼ばれているくらいだから「とりあえず四方に礼拝しとけばいいか」ってか? 「十念」と同じパターンかよ。
挙句の果てに「皇族方が四方拝をなさっている」ってどういうこと? 代拝が絶対に認められない「四方拝」を、「当代の天皇」(=今上)以外のどなたがなさっているって? しかも言うに事欠いて「これであなた方も皇族方と同等の存在になりました」だと? ホント権威を詐称するのが大好きだよね、「念佛宗」って。でもそう言える根拠は? ないよねえ、そんなもの。
儀式について第三者に口外すると地獄に落ちるとか脅している以上、どれだけ詐称したところでバレるはずがないとタカをくくっているのかもしれないけれど、「念佛宗」の詐欺の片棒を担がされるくらいなら、地獄に落とされた方がまだマシだわ。
既に崩御なさっている明治天皇はまだしも、さすがに当代の「今上と同等の存在」とまでは詐称できずに、皇族方というぼかした言い方に逃げたんだろうけれど、それによってツッコむスキが大きく露呈してしまった感じだな。
国民を襲わんとする全ての悪しきものに対して「我が身に降りかかれ」と今上がご祈願くださるのが「四方拝」です。




