ドレスコードがある寺って何?
出発の前々日の夜になって、「服は黒服、下着の類いはすべて白、靴は黒でないと寺に入れない」とか言い出した妹。
「はあ? ドレスコードが決まっている寺って何? 今までそんなとこ行ったことないけど」
服は喪服、靴は(妹が体に悪いと散々ディスってきた)7センチヒールの黒の革靴があるからまだ良いものの、下着の類いは上から下まで一式買うしかないんですが。
たった一回のために今更買えと?
「だったら行かない」
「ホテルももう押さえてもらってるし、今更行かないなんて言えない」
「なんで。ホテルだったらキャンセル料払えば済む問題よね? 別に払うよ?100%でも。38万が戻ってこないってこと?」
「そういう問題じゃない」
「やっぱりノルマがある訳?」
「そうじゃない」
「まああんたは洗脳されてるからね」
「向こうに迷惑かけるようなことはできない」
「あたしになら迷惑かけていいって?」
「そうじゃないけど…」
結局モゴモゴ言うだけで、論理的には一切説明できない妹。
「とにかく行ってもらえれば分かるから」
しかも絶対に折れない妹。
あたしの可愛い妹は、どこに行ったのかな。
ドレスコードってつまり、「服装への執着」ってことじゃないのかな。




