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5話


俺は今なぜかベッドの上で正座させられている。


「あんた見損なったよ、あんたのお母さんの代わりに私が躾直してやる」


「ちょっと待って、話を聞いて」


「あんた、男が言い訳するんじゃないよ」


(なんでこうなった)


時間は遡ること昨日の深夜。いろいろエマと話し込んで日を跨いで2人は酒を飲みながら話し込んでいた。


それでも『酒を飲んでの呑まれるな』を家訓としている右京にはたいした量ではなく、酔いつぶれてしまったエマを妹の部屋に運び、なにもせづにベッドに寝かせた、右京にやましい心が無かったと言えば嘘になるが、決して弱った女性を襲う男ではない。


しかし、起きてこない2人を見かねて翔子さんが店とつながる自宅入口から入り右京の部屋に入ると、2人がベッドで寝ているを目撃した。


「ちょっとエマさん、起きて頼むから起きて」


翔子さんの叫び声でも起きないエマは右京に肩をゆすられようやく目が覚めて。


「おはようございます、あれ右京さん・・・翔子さんも」


「ごめんねーエマちゃん大丈夫だった?」


「はえっ・・・大丈夫です」


「エマさん、昨日エマさんが寂しいから一緒に寝ても良いかと俺の部屋に来たの覚えてる」


「えっ、全然覚えてません」


「ほら見ろ、酔わせて襲ったんだろ」


「よく見て、エマさんも俺もちゃんと服着てるから、エマさんも俺を睨まないで、俺は何もしてないから」


「言い訳してんじゃないよ」


「待ってください翔子さん、服もちゃんと着てます昨日のまんまです」


「ほら、俺は無実です」


「なにが無実だよ、エマさん酔わせてどうする気だっただか」


「・・・・」


「翔子さん、右京さんは悪くないです私お酒美味しすぎて飲みすぎました、ごめんなさい」


「エマちゃんは悪く無いのよ、悪いのは右京だからなにかされたらちゃんとおばちゃんに言うのよ、懲らしめてあげるから」


「俺はそんな外道じゃねー」


「早く起きてご飯食べな、そしてあんたは仕事しなさい」


「俺が雇い主なのに」


「なんか言った、私はねー愛ちゃんの代わりに母親代わりなんだよ、道を外れるようなことしたら、店長だろうが社長だろうがビシビシ行くよ」


「はいはい、分かりました」


「はいは1回」


「はーい」


「まったく」


やっと2人が部屋を出るとため息をついた。


でも、右京も怒られても仕方がない。エマが右京のベッドに入ってきた時、右京はやる気だった。

しかし、エマはベッドに入ると直ぐに寝息をたてて寝てしまった。右京も据え膳食わぬは男が廃るで一呼吸う置いてエマに話しかけるも返事がない、試しに指でつつくが反応がない、しかたなくいろいろつついてみたが終いには手で払いのけられるしまつ。


諦めた右京は隣で寝る可愛い女性にモンモンとして寝付けない夜をすごした。しかも不覚にも朝方眠って終い気が付けば翔子さんに起こされるしまつ、一時の気の迷いで手を出さないで本当に良かったと思う半面すごく残念な気持ちもある。


「やべ、昨日食パン全部食べちゃったから朝飯なにもないぞ、冷蔵庫も空っぽで酒しか入ってないや、とりあえず、店に行って加藤さんに断って朝飯食べに行くのと買い物してこよう」


下に降りて店に行くと朝礼も終わっており、従業員のみんながニヤニヤした顔で俺を見る。


(ババアの声がデカいからみんなに聞こえただろ、ふざけるなよ俺は社長だぞ、これじゃ威厳もへったくれも無いよ参ったなー。でも寝坊したのは自業自得だから甘んじて受けよう)


俺が居なくても問題ないようなので、エマさんと一緒に朝飯と買い物をしてきますか、普段なら商店街で済ますけど、エマさんと一緒だと朝のこともあるからスーパーで済ませよ。


「エマさん、朝ご飯ないから一緒に食べに行こう」


「お金なんて気にしない、その内働いて返してくれれば良いし、ご飯はエマさんがこっちに居る限り俺が奢ってあげるから」


「すみません、ちゃんと働いて返します」


「気にしないで、ファミレスで良いかな?」


「ふぁみれす?」


「まっ、いいや行こう」


俺たちは散歩しながら近くのファミレスに向かった。エマは初めて歩く日本の街並みにニコニコしながら辺りを見わたした。


「右京さん、あれは何ですか?」


「郵便局だよ、手紙とか荷物を届けてくれるところ」


「日本にはそんな商売があるんですか?」


「エマさんのところには無いの?」


「無いですね、特にエルフは村からほとんど出ないですから」


「そうなんだ」


右京さん、私さん付けいりませんよエマって呼んで下さい、右京さんにお世話に成ってるのにさん付けなんて」


「別に気にしなくていいのに」


「なんか、さん付けで呼ばれるとあんかはずかしいし」


「そお、じゃあエマと呼ぶね、俺も京ちゃんか右京って呼んで」


「京ちゃん?」


「俺のあだ名みたいでみたいな物かな」


「じゃあ、私も京ちゃんって呼びますね」


そんな話をしながらファミレスに着いた。店内に入ると客はまだまばらで窓側の席に案内された。


メニューを渡されるも字の読めないエマに説明してあげ、エマは甘いシロップに引かれパンケーキセットを選び、俺は和定食を選んだ。


「エマ、飲み物は自分で取りにいかないといけないので教えてあげる」


いろいろありすぎて迷っているので、何杯でもお替りしても値段は変わらないから全種類飲んでも良いよと教えてあげると、全種類制覇しますと意気込んでいたが絶対に無理だしと思っていたら、パンケーキが来る前に3杯お替りして。飲むものすべて美味しいと俺に説明してくれた。しかも砂糖も使い放題で興奮してお替りしたいた。


パンケーキも甘くて美味しいとニコニコして、高々ファミレスのペンケーキで喜んでくれるならパンケーキ専門店に連れって行ったらどうなるのか考えてしまう。


それでも、こんな物で喜んでくれることが俺は新鮮でいろんなところを案内したいと思った。


ちなみにドリンクは8杯でギブアップした、なんか学生の頃に戻たようで俺も楽しくなってしまった。


















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