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17話


「歩いて行くの?」


「ああ近くだからな」


「この世界っていっぱいお店有るね」


「そうだな、エマのところは無いのか?」


「村には無かったけどドワーフの街にはいっぱいお店が有るらしいけど、私まだ村から出たこと無くて」


「そうか、これから行くお店はお寿司屋ってところで俺が子供のころから行ってるお店だ」


「子供の頃から?」


「ここだ、入ろう」


引き戸を開けて入ると威勢が良い声で「っえりゃい」と声だ掛かる。


「二人なんだけどカウンター良いかな」


「おおうここ座りな、しかし右京も隅に置けないね外国人の彼女とは」


「まあな、それで彼女エマって言うんだけどまだ生の魚食べてこと無いんだよ」


「初めましてエマです」


「おおよく来てくれたね、飲み物はどおする?」


「俺はといあえず生でエマは何にする?」


「お酒?」


「レモンサワーにするか?缶酎ハイで飲んだだろ」


「うん、それにする」


「それとつまみに刺身の盛り合わせと、おすすめ無い?」


「マグロのかま煮が有るぞ」


「じゃあそれで」


「右京さんの子供の頃はどんな子供だったの?」


「ぶぉーなんでいきなりそんな事聞くんだよ」


「だってこのお店、子供の頃からきてるんでしょ?」


「そうだけど・・・」


「右京の小さい時からやんちゃ坊主だったよ、小学生の時なんて親父さんに連れられて家族で来た時なんか、店の中で回るお寿司が食べたいって大騒ぎしたもんな」


「回るお寿司?」


「あの時はすいません、学校で友達が回転ずしに行った話をして、行きたがったのに親父があんな寿司食えるかって連れてってくれなかったもんですから」


「今じゃ親父さんたちとの良い思い出だな」


「そうですね、頑固親父のせいで半分以上が喧嘩した思い出ですけどね」


「右京さんのご両親は今どちらに居るんですか?」


「ああ、言って無かったな両親は3年前に死んだんだ」


「ごめんなさい私知らなくて」


「別に大丈夫だよもう3年前の話だから」


「もう3年かー速いもんだな、右京墓参り行ってるか?」


「半年に一度は行ってるよ」


「私も今度行きたいです」


「おぉなんだもう結婚の挨拶か」


「まあな、エマのご両親が許してくれたらな」


「おい本当か!おいお前ちょっと来てくれー」


そこからは女将さんも加わり、別に寿司屋に嫁入りする訳じゃないのに俺そっちのけでエマを構い、頼んで無いのに色んな物が出て来てエマの美味しいの一言に一喜一憂する始末、エマはワサビはダメだけど刺身も問題無く食べていた。


俺の苦手な牡蠣も美味しそうに食べていたけど、ワサビがダメなんってお子ちゃまだな。


翌日は翔子さんが出社してくる前に見せに降り、エマは日本語の勉強と買った石で魔法のアクセサリーを作ると言うので俺は仕事をすることにした。


それからエマは日本での日常にも慣れて来て商店街でなら買い物を一人でできるようになってきた。


「エマ、明日の夜商店街の会合が有るから一人に成っちゃうけど大丈夫か?」


「大丈夫だよ、勉強してるから」


「それとエマの村に持ってく塩とかはどれくらい要る?」


「どれくらいだろう?」


「とりあえず、塩200キロと砂糖100キロと小麦300キロ注文しとくな」


「どれくらいの量なのか分からないけど、魔力回復すればポイント置けるからいつでも行き来できるようになるから」


「そっかじゃあ大丈夫だな」


そして土曜日の夕方から商店街の会合で来月の花火大会の事を話し合った。


今年は警察からの要望で順路を決めて会場に誘導するため、去年より通行量が増えるらしい。

それでもみんな商売人なんで店の前で臨時の屋台をすることに、勝也のところは去年焼き鳥が売れすぎて焼きが間に合わなくて失敗したから今年は唐揚げと肉巻きおにぎりらしい。


うちは各種ビールメーカーの生ビールと缶酎ハイを売るつもり、去年はぎりぎり200万行かなかったから今年は200万超え偉いい。


夏は花火大会と夏祭りと盆踊りなどのイベントが多くて大変だ。


会合も終わり酒も入ってるしエマも待ってるから帰ろうとしたら、勝也がもう一軒行こうと言い出した。


案の定勝也の行きたい店はキャバクラだ。俺は断ろとしたが勝也の必至な訴えに仕方なく行く事に。


「先輩いらっしゃいませ、ご指名はリオナさんとさくらさんでよろしいですか?」


「勝也は良いけど俺はフリーで」


「ダメですよ、俺がリオナさんに怒られます」


俺たちは席に案内されドカッとソファーに座る。


「勝也2時間だからな!」


「ラストまで居てさくらちゃんアフター誘いたいからヤダ」


「知らねーよ、俺は帰るからな」


「お前は良いよエマちゃんが家に居るから」


「さくらです」「リオナです」「「ご指名頂きありがとう御座います」」


もう勝也はさくらちゃんが来たら俺の話なんか聞いてないよ。


「今聞いたんだけど、エマちゃんってだれ?」


「お前に関係ないじゃん」


「どこの店の子?」


「なんでキャバクラ限定なの?」


「リップスの子でしょう?」


「なんでそお思うんだよ?」


「車に乗ってるの見たって話し聞いたから、目立つベンツ乗ってればすぐバレるんだから」


「いつの話だよ」


「で、そのエマって子は何なの?」


「彼女だよ」


「右京テメーやっぱりエマちゃんと付き合ってるじゃないか」


「うるせーよ、さくらちゃんモテない勝也を慰めてあげて」


「きょうちゃん、私と言う物がありながら浮気ですか?」


「お前とは店以外で会って無いだろ」


「えぇーカラオケも焼肉も一緒に行ったじゃない」


「店の延長じゃないか」


そんな馬鹿話をしていると後輩のマネージャーが。


「ご案内いたします、八神京子さんと八神修哉さんです」


「なんでオーナー夫妻が居るんだよ、何が悲しくて金払ってオーナーと飲まなきゃいけないんだよ」


このオーナー夫妻まだ30代後半にしてキャバクラ7店舗ホストクラブ3店舗それにヘルスたセクキャバなと多数経営するやり手実業家、京子さんはキャバ嬢からオーナーに成ったスゴイ人、旦那の修哉さんも元ホストで自分で店をやってたが京子さんと結婚して吸収させて今は京子さんが社長で修哉さんが専務。ちなみに全店舗の酒は全部うちが降ろしてる。


「右京諦めろ、寿司屋で聞いたぞついに結婚するらしいな」


「はい・・・いてーよ修哉さん奥さんとリオナをなんとかして」


リオナに首を絞められ京子さんには腕を抓られている。


「きょうちゃん、お詫びにシャンパン入れて」


「なんでだよ」


「お呼びですか?」


「呼んでねーよ」


「右京がシャンパン入れてくれるって」


「なんで俺が」


「先輩、ついにサロンを入れますか?」


「1本100万のシャンパンなんか飲むかよ、だったら同じセラーのドゥラモットにするよ、ドゥラモットはいくら?」


マネージャーは俺の目の前でパーをだした。


「高けーよ」俺はチョキを出した後にパーをだした。


「半額ですかーじゃーフルーツ付けてくれるなら良いですよ」


「分かったよ」


結局シャンパンとフルーツを入れさせられた。6人じゃ1人一杯良いところ。


ただこのオーナー夫妻から面白い話が聞けた、やっぱり俺の商売は夜の街で情報収集しないと駄目なようだ。


その後もリオナが他の席に呼ばれ、女の子が居なくなったのにオーナー夫妻が居るから女の子が付かずに夫婦とただ単に酒を飲んだ。


でもチェックしてもらうとシャンパンもフルーツも会計に入っていなかった、流石やり手実業家。


雅也は帰る気が無いので置いて帰った。俺と居た時の分までは俺が払ってやったが後は自分の小遣いでなんとかしろ。


ちなみに雅也は実家の肉屋で働いているが昔借金して飲み歩いた過去があり母ちゃんに財布を握られている。









































































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