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16話


叔父さんが帰った後エマは俺に何か言いたそうにしてた。


「勝手に話し進めちゃったけど、エマは嫌だった?」


「嫌じゃあ無い・・・・でもほんとに私で良いの?」


「もちろんだよ、出会ってまだ日も浅いけど俺はエマと一緒に成りたい」


「エルフは一目で番が解るけど人間は違うでしょ」


「まあ確かに違うな、でも俺はエマと出会った時何となくエマと結婚するなと思ったんだ」


「ほんとに・・・・」


エマはまるで幼児が泣くように大きな声で泣き、俺に抱き着いた。


「私ねほんとは怖かったの人間は恐ろしい物って聞いていたし、でもね右京さん優しいし番に成るけど奴隷のような番に成ると思ってた。でもそんな事無いしみんな優しくて・・・」


「エマ泣かないで、不安だったんだね」


「でも大丈夫右京さんが居るから」


「俺が守ってやるから心配するな、でもな悪い人間も居るか気を付けるんだよ」


あんまり可愛い顔で見つめるから唇塞いでやったら腰が抜けたみたいに崩れそうになったので、慌てて抱き寄せソファーまで抱えて行った。


「大丈夫か?」


「大丈夫れしゅ」


噛んだところまで翻訳される翻訳機ってほんと優秀だな。


「そろそろ店に戻るけど大丈夫か?」


「はい・・・あ、でも私もなにか手伝わせて下さい」


「それじゃあ、お風呂掃除と洗濯物畳んで」


「はい!」


「じゃあやり方教えるから付いて来て」


洗面所に行くと朝回して洗濯物が終わっており、今回は前回エマの下着も普通に洗ってしまい失敗したのでちゃんとネットに入れておいたので失敗は無い。


「洗濯が終わってるからこれ畳んどいて。あとできればベッドのシーツを引いといて」


「分かりました、本当に洗濯機って便利ですね入れるだけで綺麗になって乾燥までしてくれるんですから」


「エマの居た世界では洗濯はどおするの?」


「川で洗濯ですよ」


「大変だね」


「そんなに大変じゃないですよ、子供だってできます」


「子供が川で洗濯してたら川で溺れたりしないの」


「直接川には入りませんし魔法でするので大丈夫です」


「魔法か想像できないな、風呂掃除教えるから見てて」


俺はシャワーで全体を水で濡らし洗剤を撒いた後スポンジでよく擦る事を教えた。


「右京さん、だれも居ないところなら魔法使っても良いですか?」


「・・・うん?お風呂掃除で魔法?」


「はい、見ててください」


エマは徐にスポンジを見つめるとスポンジが動きだした。


「なにこれ?」


「魔法です」


「魔法って超能力みたいな事できるの?」


「超能力ってどんな力か分かりませんが、物を動かすのは魔法の基本です」


「魔法ってすごいなー、でも絶対に人前でわ使っちゃダメだよ」


「はい、後は任せてください」


「じゃー店に戻るね」


後は任せて俺は店に戻った。


「あ社長、樫谷さん着てますよ」


「もう地下」


俺は地下にあるワインセラーに向かった。


「いっらしゃいませ樫谷様」


「こんにちは」


「今日はなにかお探しですか?」


「今日は別に目的は無いけどなにか無いかと思って」


「シャトー・ル・トラン2010が入荷しましたよ、値段も手ごろなんで普段飲みできますし、濃厚で芳醇な果実感のあるワインですよ」


「へえーこれって生産本数が少ないワインだよね」


「よくご存じで」


「ところで祖父は着てますか?」


「最近は先先月にいらっしゃてからはいらっしゃってませんね」


「そうですか」


「なにかあったんですか?」


「この話は絶対外に漏らさないでくださいね」


「はいそれはもちろん」


この樫谷さんは日本を代表する精密機器メーカーの創業者一族で祖父は創業者で会長、父は社長で本人は三代目に当たる。


「最近祖父はあまり会社に来ていないみたいなんだ」


「どこか悪いんですか?」


「まあ~歳だからね、でも急に引退って成ると株価も問題だしね」


「まあカリスマですからね」


「ほんとはもっと早く引退してのんびりして貰いたいんだけどね」


「大変ですね」


俺は大会社創業一族の苦労なんて分からないからそんな事しか言えない。


「じゃあこれとシャトー・ル・トランをもらうよ」


「ありがとう御座います」


日曜日は平日に比べるとワインがよく売れる、最近は女性のお客さんもよく買って良くし買っていくし土日はワインが売れる。ただ鍵付きのセラーのワインは今日は売れなかった。


「時間だ、店閉めるぞ」


その声で斎藤さんと高橋君は閉店準備を始め、俺はレジを閉め売り上げを集計した。


「エマ、仕事終わったよ」


「お疲れさまでした、右京さんにプレゼントが有るの」


「プレゼント?」


エマの手には雑誌の広告に有るような数珠みたいなブレスレットを俺に渡した。


「なにこれ?付けてると金運アップしちゃう?」


「金運はアップしないけど、健康増進と身体強化と言語理解など付けてある」


「えっ、エマの持ってるのよ同じ」


「私のより良いよ、魔石が良いから私も今度作りなおす」


「ありがとう大切にするよ」


「貰ってばかりだから申し訳ないけど・・」


「そんなの良いよそれよりどっかご飯食べに行こうか」


「うん」


「エマは生の魚って食べた事有る」


「無いです、生で食べるとお腹壊しますよ」


「日本は生で魚を食べるんだよ、新鮮だし滅多にお腹壊す心配はないから食べてみない」


「うーん、右京さんは好きなんですか?」


「寿司って言うんだけど俺の好物だね」


「じゃあ食べてみます」


「よし準備して行こう」


あそこの寿司屋なら生ものがダメでも焼き物とか有るから大丈夫だろう。



























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