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元聖人勇者 改め ドゲドーです。  作者: フェフオウフコポォ


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56/64

56話 ドゲドー評価にご満悦。方針決める。

 いや、正直予想以上だったよ。

 俺のした話は『盛ってた』感あったからね。



 普通の冒険者であれば、


 『木』『青銅』『鉄』『鋼』『銅』『銀』『金』


 の格付けの中で『鉄』『鋼』あたりが普通に良い線ってところだ。

 実際にイケメン達がこれまでは『鉄』だったからな。


 『銀』ランクにもなれば、もう食うに困る事はねーだろうしな。


 で、ランクが俺を除けば最上位の位置づけの『金剛』持ちのアルクスとクリスティの二人による特別昇格試験が開催された……結果。



 赤毛ちゃんは

 『転移』『飛空能力』

 さらに、杖なしで上級魔術の雷を操れる事。

 また、その力も単独で広域殲滅が可能なレベルに達している事が認められ、文句なしの『金』


 茶髪ロングさんは、剣技は自己流だったせいで戦闘の実力では『銅』と『銀』の間。

 だけど、回復魔法とその効果がクリスティの見立てでも尋常じゃない効果があるって事で、赤毛ちゃん同様『金』


 幼女は、なぜか竜の爪で作った短刀以外を使用しないという我侭わがままを言って、しかもソレを通しちゃった。

 だから、強くても武器に依存している可能性を考慮して戦闘能力は正しい評価がされなかった。なぜにこだわるんだか。

 ただそれでも、その『索敵能力』や長距離を問題としない『気配察知』が評価され『銀』


 犬耳ちゃんは、魔力次第で矢の残数を気にしなくていいマジックアーチャーという職業と、実際にかなりの本数を打ち続ける事が出来る事が確認された。

 しかも、触れると炸裂したり途中から分裂したりする魔法矢まで撃てる多才さ。もうね一人砲台ですわ。

 さらに嗅覚を利用した『気配察知』を加える事で、それを『長距離狙撃』までできる事が評価された。

 ……ただひとつ、武器の依存度が考慮されて『銀』


 猫耳は……まぁ……何と言うか。

 半魔族の真髄というか、持ち前の適正を発揮した感があった。

 災厄の種が通常の冒険者を物ともしないということが分かるような防御力と戦闘力をいかんなく発揮して、納得の『銀』



 イケメン1号はアルクスから高評価だった。

 守りに長ける要素が見て取れたという事で『王国で騎士の修行を積んではどうか? 口をきく』と直々の勧誘があったくらいだ。


 その話を聞いて


 『へ~。1号は受けの才能があるんだ』


 と言ってしまい


 『あ。ゴメン』


 と、また謝る事になったのは仕方がない。


 まぁ、ギリギリ『銀』と判定されたが、1号がまた無駄にイケメンを発揮して『それならば、慢心を防ぐ為『銅』でいい』とか言うから『銅』



 2号は、アルクスの見立てでは重戦士系の攻撃が得意となりそうらしい。

 『ゴンぶとだけあって流石ですねー』とかひねくれてないよ。

 こっちも『銅』



 3号はここまで来たら想像の通り『銅』だ。

 軽業でトリッキーな攻撃に特化していく方が持ち味を出せるそうだ。

 やっぱりアルクスは王国1の騎士と言われているだけあってアドバイスがいちいち的確。


 イケメン達も手合せして、すぐにアルクスの事を『師匠』呼ばわりするんだぜ。


 俺がレベル上げ手伝ったのにさ……

 まぁ、いいけど。


 俺よりも信頼の置けるらしいアルクスの審査によって、ギルド長も納得して昇格となった。



 が。まぁ~……赤毛ちゃんと茶髪ロングさんの喜びようがすごかった。


 一応名誉ランクを除いての最高ランクになったからな。

 『最強の一角に入った』と、心から喜んでくれていたと思う。


 幼女が悔しがったりすることもなく普通に祝福していたので、あれ? と思って聞いてみると、どうやら二人を3年後までは応援すると心に決めているらしい。


 『仲が良くて何より』と思いつつ『3年後はどうなるんだ?』と不安になった。



 ……


 赤毛ちゃん達の様子を見て。


 嬉しい反面。



 どこかで俺の心が、シクシクと痛むような気がした。





 彼女達は真剣だ。


 真剣に俺を見てくれている。


 そして努力までして、それを喜んでくれている。


 ……


 俺はいつまで言い訳をしているんだ?




 そんな思いが生まれていた。




 ただ。時間はある。


 まだみんなで一緒に過ごせる時間はたくさんある。



 ……そのうち腹をくくろう。




****




 じゃあ、みんな。

 ランクも確定したし、こないだマオーバーガーに来た熊吉の言ってた情報を伝えるよ。



 熊吉が王都にたどり着くまでに出会った災厄の種の話から推測した情報を皆に伝える。


 災厄の種達の中で、獣人の母親を持つ者は基本的に『アホの子』だ。



 『自分より強い』とか、そういったことを基準にして、思うまま自由に生きている。

 だからこそ従えることも可能であり、更正の余地が多分にある。


 むしろ『更正しなくとも再教育すればいい』なんてことも言えるような連中だ。


 要は獣人を母に持つ災厄の種は『話をすることができる相手』と言うこと。




 ……逆に災厄の種で数の最も多い人間の母親を持つ者。


 今になって思い返せば、大規模山賊団の4人組の大将首も災厄の種だ。


 こっちはもう話す余地すらない。

 殲滅を前提に進めた方が良い。


 その理由は『人を害する』という洗脳の為、大抵の母親が子供の教育の最終仕上げとして


 『子供の手で母親である自分自身を殺させる』という事をさせていて、徹底的に人の敵として仕上げるかららしい。


 故に更正の可能性は限りなく低く。

 殲滅を前提にした方が良い。



 そして熊吉も誘われたらしいが、

 『災厄の種同士での連携が図られ始めている』らしい。



 その為、早急に解決に導かないと被害が大きくなる可能性があるということ。




 『マオーバーガーなんてやってる場合じゃなかった』なんて思ってないよ。

 だってさ、それやってなかったら熊吉と会えなかったじゃん!



 ねっ!

 そうだよね赤毛ちゃん! 茶髪ロングさん!


 うん。よしよししてくれると思ったよ。



 …………



 ……何見てんだよ。


 あ??

 やんのか?


 アルクスとクリスティさんよぉ?


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