51話 ドゲドー湖の街で何もさせてもらえない。
なんか……なんかむしゃくしゃしたから、すぐ湖の街に転移したった。
いやいや! 冒険者たるもの、どんな時でもどんな状況でも対応できる能力が必要なんやでぇ。
な、みんな。
急に敵が襲ってくる可能性もあるやろ?
その訓練やがな。
……諦めたのか納得かは謎やけど、まぁ受け入れてくれたみたいやし、それでいっか。
うん?
……うん。
正直やつあたり。
ごめんな。
さて、来たついでだ。とりあえず詳細を確認に湖の街のギルドに向かいますよ。
***
って!
ここでも赤毛ちゃん達ランク低すぎて俺にしか詳細教えられないんかいっ!
……もうさ…俺……先の壁壊した件くだりから、か・な・り、イラっとしてるから、正直もうね…………
もうねっ!
……あ。 ごめんなさい!
その……受付さん………ごめんなさい。
…………そんなジョババる程、怖がらんくても。
なんか本当にごめんなさい。
魔力漏れすぎてたね。ごめんなさい。
うん。
赤毛ちゃん達に会話が聞こえちゃうなら仕方ないよね。
早く話そ? 話して楽になろ。
俺聞いたらすぐ出てくから。
……ほんとゴメン。
***
はい、みんな確認ね。
なにやら、もうここの災厄の種が結構活発に活動しちゃってるみたい。。
街の反対側の湖畔に拠点があるらしい。
強さは普通の冒険者は返り討ちにあうレベル。
ただ、湖の汚染まで企ててる気配があるらしいから、可及的速やかに、湖の街の災厄の種を説得。もしくは討伐を開始する必要があります。
ぶっちゃけ居場所わかってるし、まんまカチコミかければいいかな? って思ってるけど、どう?
みんなどう?
……
よしっ!
俺もう今すぐに行きたい感じなんだけど駄目かな? かな?
…………え?
うん。
いえいえ。殲滅……しますんよ??
全然殲滅しますん。
……
え~~!!
俺参加しちゃダメってどゆことーー!!
いいじゃんドーンとやらせてよーっ!!
……あ。はい。
そうでしたね。
赤毛ちゃん達のレベル上げも目的でしたもんね。
ごめんなさい。
……
はぁ。わかったよ~。
じゃあ、交換条件で赤毛ちゃん、茶髪ロングさん、幼女、犬耳ちゃんが、ちょっとでも!
ほんのちょーっっとでもケガとかしたらすぐに交代するからねっ!!
は?
猫耳とイケメン達なんか知らんよ。
じゃ、ほら、さっさと行こっ!
ハァハァしてねぇで行くぞ! 猫耳!
***
あっれー……
……全然コレ怪我の心配いらないんじゃね?
あれ?
こんなにみんな強かったっけ?
あれぇ?
普通のレベルは返り討ちって言ってたよね?
……なんかイケメン達ですら襲い掛かられても、スパスパ切っちゃうし。
赤毛ちゃんは幼女の指示で遠い所に電気ショック送ってるし……犬耳ちゃんはニオイ嗅いでは罠解除してるし。
……茶髪ロングさんは……何故か俺の監視してるし。
……
あれ~?
あぁ 猫耳は『魔王様魔王様』言ってるだけ。しらね。
あれ~?
あ、あれ。災厄の種じゃね。
ほら『なんだチミ達は、未完成でも湖に猛毒まいてやる』とか言ってるよ?
やばくね?
『母親はもうすでに自分の手で始末した』とか言ってるぞ!?
かなり危ないヤツだよあれ。
ここはもう俺の出番じゃね? 出番だよね!?
………あ。
そうっすか。
赤毛ちゃん転移で毒瓶の回収余裕っすか。
あれ~?
幼女ささっとお縄頂戴っスか……
あぁ……解決……しちゃった。
…………
えぇ~……
****
いや、みんな強くなったのは嬉しいよ。
そりゃあ嬉しいよ。
スピード解決、まったく問題無しですよ。
ただ……俺。
な~んもしてないんですけど。今回。
ストレス溜まりまくりなんですけど!??
なんだよ猫耳っ!
……うわぁ。
そのストレスぶつけろとか……ワクワクされても………
…………うわぁ。
もういいや。
とりあえず飲もう!
いいよ。もう飲んで忘れてやるさっ!!
今日のことなんて忘れてやるんだい!
ほれ、かんぱーい!!




