50話 ドゲドーギルドに考えの共有に行く。
アレだなー。
そういえば料理屋に夢中になりすぎて、ギルドにも『魔王ドゲドー仕事受けまっせ計画』とか話してなかったな。
よっしゃっ!
いっちょ魔王らしく話に行くかな~。
んふふ~。
ん?
赤毛ちゃんなんでそんな顔してるのかな?
いや? 俺なーんも恥ずかしい事なんてする気ないよ?
ちょっと魔王らしくギルドに登場してみようと思ってるだけだよ?
これも世の為だよ。
じゃあ行きまーす。
せーので、ギルドの壁どかーん!
よし! 予想通りの注目の的
「俺の名前は『魔王ドゲドー!』
おいギルド職員どもっ!!
……え~っと。
俺の力を目いっぱい使って色々助けてやるから。
ちょっと手伝えっ!!」
あ、うん。
とりあえずギルド長を呼んでくれる?
あと。コレ。
壊した壁の修理代。
もし足りなかったら言ってね。
よう。ギルド長久しぶり。
いや、勇者じゃなくて今は魔王ね。
『魔王ドゲドー』。
よろしく。
でさ、ちょっと話聞いてくれる?
***
そうそう。
俺が格安で手助けして『魔王ドゲドー』の名前広めてさ、災厄の種の情報集めたいの。
いい案っしょ?
えぇ~……さすがに魔王の称号は表に出せないの~?
じゃあ魔王復活とかどうやって広めれっつーのよ。
……
冒険者に噂流させる?
えっ? そんなことできんの?
あ。余裕なの?
すげーなギルド
え?
その噂を確かめに来たやつはどこに辿りつけばいいって?
………え~っと。
じゃ、じゃあ、とりあえず『マオーバーガー』で。
うん。
宜しく。
次?
?
……
格安だと依頼数ハンパなくなるの?
まず一人で対応しきれない?
……それは………まずいな。
『そもそもなんで?』って?
いや、災厄の種の情報集めだよ?
倒さないと世の中が色々ヤバイじゃん。
は? 『身元不明の成長速度の恐ろしく早い子供が、世界にとって危ないから情報求む』って発信して情報集まるの待てばいい?
……まぁ……そりゃそうだね。
あ? それもすぐできるの?
そっか。
じゃお願い。
えっ!?
てゆーか災厄の種情報はもう、ある程度の発信はじめちゃってるの!?
なんでっ!!?
あ~……アルクスかー。
いや~流石だわアルクス。
へぇ!
もう既にちょっと怪しい情報入ってるの!?
湖の街? 行く行くっ!
それちょっと行ってくる!
うっわー! すっげなーギルド。
ちょっと見直したわ~。
あ、うん。
これからちょいちょい情報確認しにくるわ。
またなんか怪しいのあったら教えてね。
わかったー!
ありがとねー。
はは~。
もう壁壊さないよー。うん。
ごめんねー。
うん。 じゃあね。
***
みんなスゲーよギルド!
なんか全部……
………………
……って
あれ? これはなんかのデジャブの予感?
……イケメン達の白い眼。
……幼女の呆れ顔。
……犬耳ちゃんの『私、何も見てませんよ』顔。
……猫耳は
『?』って顔だな……いつも通りか。
ただ、なんだ。
前の時と違うのはさ。
赤毛ちゃんと茶髪ロングさんが。
過剰にフォローしてくれてるってとこだな。
………
二人で
『頑張ったね~。よしよし。』
とか
『ちょっと時代を先取りしただけだって! 大丈夫。貴方はできる子!』
とか言いながら
いい子いい子しないでくれる?
嬉しいけど
なんかもう
俺泣くよ?




