41話 ドゲドーちょっと振り返ってみる。
ん~……やっぱ鳴ってるな。ドアノッカー。
はいはいはーい。
いま行きますよー。
……って、ただの衛兵かーい。
誰だよお前。
なんだよ。
あ? 王様が呼んでる?
知るか帰れ。
………あ~。うるさい~。
お前らの事情なんか知らねーよ。
俺に何の関係があるんだよ?
ね~だろ?
な? じゃーな。
さて、戻……
あ~も~……何回ノッカー鳴らす気だよ……
出るんじゃなかったな。
お? 猫耳ちゃん来ちゃったか。
え? 追い返してくれるの? ありがとー。
…………
……でも……まずはさ。
服を着よーね。猫耳ちゃん。
堂々とまっぱで過ごされると、ちょっと俺が恥ずかしい。
いや、もちろん。猫耳ちゃんの体が恥ずかしい身体ってわけじゃない。
そういう意味じゃないよ。魅力的だよ。
…………あれ?
なんで……褒めるとちょっと残念そうなの?
……あ~。
言葉攻めとかまで大丈夫なパターンか。これ。
上級者だな。猫耳ちゃん。
んじゃまぁ、服を着たら扉の前にいる衛兵どもを追い返してもらっていいかな?
でも殺したりひどいケガはさせちゃだめだよ? 後々が面倒だから。
いや、つまんなそうな顔されても……
……アレだな。
猫耳ちゃんはドSかドMかわからんな。
ちょ待て! だからとりあえず服を着ろっ!
出ようとすんなっ!!
待てこらっ!
***
さて、めんどくさそうなヤツらは猫耳ちゃんに任せて俺は考え事だ。
……………
……
…
………どうしよ~~!
つい勢いに任せて猫耳ちゃんを奴隷にしちゃったけど!
これ……赤毛ちゃん達にしたら激怒もんじゃねっ!?
いや、だってさっ!
俺、超がんばってお膳立てして、みんなにレベル上げさせてさ。
で、後始末まで一人だけで頑張って。
……なのに……みんな俺ほったらかしにしてさ。
最初から一人でやってたら、こんな疲れてね~ぞ? 俺。
……うん。
あれだ。
今回はみんなが悪いって事にして乗り切ろう。
…………
……難しいだろうな~~。
……あれだ。
それか猫耳ちゃんはこの家に住んでもらって存在を隠すか?
そっちの方が平和かも……
……いや……多分またすぐバレるんじゃねーかな。
災厄の種の洗脳教育の説明にしろ、多分バレるポイントありありだしな……それなら最初っから
『いや~ちょっと奴隷ゲットしちゃいましたわ~。』的な感じで行こうかな。
いや。ちがうな……なんか他の策は……
ん??
どした猫耳ちゃん。
え? 衛兵じゃなくて女が来たから判断聞きに来た?
女?
ん? どれどれ……
って、エリィかーい!
あー…………
久しぶり。
よし帰れ。じゃ。
うん。
今のも追い返していいよ猫耳ちゃん。
ケガはさせないようにね。
じゃあ俺、考え事の続きするからヨロシク。
うーん。
……なんか他の選択肢はないかな。
あれか……
ここはひとつ……思い切って赤毛ちゃんたちと離れてみる……か?
一人になる時間もくれるって言質とったしな
……
いや、でもコレはないなー。
だって、好きは好きなんだよなー正直。
猫耳ちゃんは、なんか『まおーまおー』言ってくるし一緒にいるのはちょっと違うもんな。
どっちが近くにいて欲しいかで言うと、そりゃ~赤毛ちゃん達なんだよな。
ん??
またどした。猫耳ちゃん。
また違うのが来た?
は~~……なんだよもー。
もう俺確認しなくてもいいや。
ケガだけさせないように、ぜーんぶ追い返しちゃって。
俺、考えまとめるから。
……
……近くにいたいのであれば、近くにいるべきだよなぁ。
でもあれなんだよね。
俺どうしようもなく男なもんで、チャンスがあれば色んな子とえっちぃ事したいんだよね。
ん~……
……よく……こんなの好きでいてくれるよな。
俺だったら赤毛ちゃんがもし浮気したら、すんげ~冷めてポイする気満々になるもんな。
ひで~男だ。
って、こんなこと聞かれたら雷落ちてきそうだな。ハハっ。
っ!!!
って……なんで家の前で雷落ちたっ!?




