36話 ドゲドーみんなと討伐会議する。
だからしてませんっ!
今回は浮気は本当にしてませんーっ!
ニオイがするのは犬耳ちゃんと一緒に寝てたからだよ~。
でもワンワンしてないよっ! ほんとだよっ! すっごい我慢したよっ!
なんかふにょんってされて幸せになって、すぐ寝た気もしないでもないけど。
信じてよ~!
俺今回嘘ついてないよー!
あ。信じた。
え? なんで?
俺、自分で言うのもなんだけどさ、結構その辺の信用薄いの自覚してるよ?
あ、うん。
言わなくてもわかったわ。
また赤毛ちゃんの『見たらわかる』でしょー。
まぁ今回は、ちょっと流石にそのスキルに感謝だな。
え~っと、じゃあ。
みんな揃ってるし、早速現地に飛ぶよ。
……ちょっと待ってね。
荷物邪魔だから担ぐ…よいしょ。
ほい。
赤毛ちゃんと茶髪ロングさんは俺と腕組む。
幼女は右手をつなご。
イケメン’sは手をつないで、誰かが俺と左手つなげ。
……なんだよ早くしろよ。
微妙に手をつなぐのに照れんなよ……なんか気持ちはわかるけどさ。
じゃあ手をつなぐな!
握手だっ! お前ら握手してボクとも握手っ!
よしっ! はい行くよ。
転移!
はーい、みんな離してね~。
じゃ。今から先生が状況説明開始します。
犬耳ちゃーん!!
つれてきたよー。おいで~!
おおう!
犬耳ちゃんがどーん! か。
そんな勢いで飛びついてくる必要ないよ?
よーしよしよしも……あぶねぇっ!
俺は俺の自制心を褒めてあげたいね。うん。
よく止まった。俺。
…………おや?
……なんか……空気悪い?
茶髪ロングさん………
犬耳ちゃんに対して、すんげー言葉のトゲを感じるよ??
いやいや、いくらなんでも俺。犬耳ちゃんを体だけの相手とか思ってないよ?? ……今は。
っ!?!
犬耳ちゃんも怖い笑顔できたのねっ!! ちょっとショックっ!
いやいやいや! 確かに俺、茶髪ロングさん達に相手してもらえなかったから犬耳ちゃんにお願いしたけど……それはあれだよ? ちゃんとお願いしてなかったからね!
いや、気が利かないとかそういうんじゃないと思うんだ! うん。
あ~……まぁ確かに最近怖いけど。
……って。話が進まないからっ!
一応これから協力しなきゃいけないんだから! ねっ!
……赤毛ちゃんと幼女。
……地味に痛いよ??
やめてよ。
イジメなの?
お願いだからさ~。話しよーよ。
お~……さすが犬耳ちゃん。
聞き分け最強。
素敵だよ犬耳ちゃん!
うん! 犬耳ちゃんステキ!
……
なんだこの空気。こえぇ。
おい、イケメン’s!
さりげなく『うわぁやっぱりコイツ』って顔してんじゃねーよっ!
はい!
作戦会議はじめるよ!!
もう聞けっ! みんな!
***
えっと。
昨日の内に犬耳ちゃんと一緒に索敵したら、犬耳ちゃんのおかげで敵の居場所を発見しました。
後、おおよその敵の予測もつきました。
幼女が気配わからなそ~に首ひねってるけど、それは仕方ないことだから気にすんな。
なんせ敵までの距離もあるし、敵が土の中に潜ってるから。
多分、敵は大きめの蟻。
なので、鍛錬にはもってこいだろうな。と。
みんなに討伐してもらおうと思う。
いいかな?
……よし。みんないい反応だ。
じゃあそれに対しての俺が思ってる気を付けなきゃいけない事とか討伐方法を話すね。
まず。数がヤバイ。
『街がヤバイ』ってレベルだと考えると、何万匹ってくらいにいると思う。
次に敵の『固さ』。
多分装甲が硬い。
これもちょっと問題だ。
対策については後で言う。
そして次に気を付ける点は『強いヤツがいる』。
これも多分だけど、兵隊蟻と女王蟻とかが混じっていると思う。
で、そういうヤツは他の蟻と比べてかなり強いと思う。
正直イケメン達が対峙したらヤバイレベルだろう。
だから俺の作戦はこうだ。
まず俺が物理結界を張る。
その結界に1匹ずつ出れそうな穴を何ヶ所か開けておく。
すると蟻はそこから這い出てくるからそれを倒す。
これで数の問題は解決。
蟻の数が数だから次々出てくるだろうし、一匹ずつ瞬殺する必要がある。
瞬殺の方法としては結界の穴の近くに、俺が地面掘って堀を作っておく。
そしてその底に溶岩溜まりを魔力で作っておくわけだ。
うん。落ちたら死ぬ系。
だからみんなはその堀にだけは落ちないように、そして落とされないように気を付けてね。
マジ死ぬから。
で、みんなで結界の穴から出てきた蟻を、堀に殴り飛ばすお仕事って感じでどう?
これで固さの問題が解決。
魔法使いな後方支援系の赤毛ちゃんとかは、物理結界は囲う系にしとくから、上から魔法を落として練習すればいい。
一応物理結界はドラゴンのブレスだって余裕で防ぐくらいのつもりで作るし、地中から新しい穴掘って出てこないように深めに作るから。そこはまぁ信用して欲しい。
で、最後に強いヤツな。
万が一なんかヤバイってなったら、俺が『撤退!』って叫ぶ。
それが聞こえたら、すぐにここに転移してきたような形で俺にくっつく事。
転移で村まで脱出する。
で、転移したら俺が単身で出て一気に殲滅させる。
……あ~そっか。
犬耳ちゃんの掴まる場所決めてなかったな。
……じゃあ、犬耳ちゃんは『撤退』って聞こえたら、俺の背中に抱きついて。
そこしか空いてない…………って、怖いよ赤毛ちゃん達!?
え?
犬耳ちゃん撤退の練習する?
え~……じゃあまぁ。うん。「撤退」
あ、うん。
そんな感じ。
もっかい? 「撤退」
うんうん。そんな感じ。
やわこいね。
え? もっかい?
……あ~……なんかヤメトこ。
なんか嫌なヨカンがするよ。俺。
ま。まぁこんな感じの作戦でどう?
……そっか。
理解できたけど、やってみないとわかんないか。
そりゃそうだな。
普通に考えりゃ何万匹と対峙するなんて自殺行為もいいとこだしな。
どうしたイケメン’s? 顔青いぞ??
赤毛ちゃん達を見てみろよ?
全然平気そうだろ? 弱気になんなって。
……コクコクなのか、ガクガクなのかわかんねぇな。
まぁイケメン’sはこの際ほっといて、役割分担しようと思う。
今回はもちろん犬耳ちゃんにも参加してもらう。
なんせ場所わかるの犬耳ちゃんだから。
じゃ。今から其々《それぞれ》の役割分担を言ってくね?
赤毛ちゃんは魔法使いで後衛だから、離れた位置で結界内に向けて上から雷撃落とせばいいと思う。
雷撃の連発が疲れるのであれば、氷とか土で塊や槍とか作って上から落とすとか、水の塊でおぼれさせる。って言う方法も有りだと思うからそういう感じで魔法の練習したらいい。
茶髪ロングさんは前衛の性騎士だから……?
?
まぁ。蟻を堀に落とすお仕事になるかな?
あと、みんなが怪我したり疲れが見えてきたら回復してサポートっお願いしたいって感じかな。
現場で結構動く事になるだろうから堀には近づかない事だけ気を付けてね。
………え?
聖騎士だったの?? あれっ? ゴメン。
幼女は……シーフ?
う~ん…………いや。ここはひとつ忍者的な役割にしよう!
うん。
俺の生まれ故郷の伝説の職業。『忍者』
忍者目指して頑張ってね幼女。
役割としては、もし蟻が予想外の所から漏れ出てきた場合に、それを倒す役。
なんせ幼女の持ってる短剣ならスッパリんこと切るのも余裕だからな。
後、なんかヤバイ気配があったりしたら、すぐに俺に連絡に来る役ね。
幼女も現場で結構動く事になるから堀には近寄らない事だけは気をつける事。
本当に気を付けるんだぞっ!
犬耳ちゃんは弓矢なんだよな~……正直矢が足りなさすぎる。
……と思って、今日みんなと集まる前に武器防具屋からコレを奪ってきましたっ!
はい。魔法弓。コレあげる。
お~。嬉しそうですね~。よかったよかった。
しっぽ千切れるよ~?
犬耳ちゃんは役割としたら赤毛ちゃんと同じで、後衛な感じ。
結界の中に向けて上から魔法の矢を降らせる曲射でマジックアーチャーの練習してみ。
で、あと堀の付近で落ち切らなかった蟻に対しての遠距離攻撃もね。
もしマジックアーチャーできなかった時の為に普通の弓矢も持って行ってね。
……おおう。
そっか。全部マジックアーチャーで頑張るか。
いや、でも予備は持ってけ。
備えあれば憂いなしだ。いいね。
うん。よしよし。
イケメン達は何だっけ? 全員剣士か?
ん~……一人くらい騎士がいた方が守り固いような気がするんだけど……まぁ仕方ないわな。
3人とも問答無用で堀に蟻をぶん殴って落とすのがメインのお仕事です。
頑張ってください。以上。
……まぁ、堀には近づき過ぎるなよ?
じゃあ、こんなもんで作戦はいいですかー?
はい。
じゃあ頑張って強くなりましょ~ね~。
じゃ。これから俺が犬耳ちゃんと先行して、結界と堀を作成してくるから幼女は俺の気配を辿ってみんなを連れてくること。
……ん?
なんで一緒じゃないかって?
他の穴もあるかもしれないしさ。
それがあったら塞ぐのと、蟻をおびき出す為のエサも一応持ってきてるからね。
結界を俺が作る前に蟻が溢れだしたら人数多いと対応難しいじゃん。
だから二人で先行。
幼女は俺の気配がもし村に飛んだら、すぐに後退してね。
まぁ。そんなことになりそうだったら、先に殲滅しちゃう気もするけどさ。
以上。
質問は??
…………
じゃ、作戦開始で!




