12話 ドゲドーは逃げられなかった。
なんで?
なんでそんな怖い顔するの?
ちょっと思っただけじゃん。
ちょっと思っただけじゃん。
ほんのちょ~っと思っただけじゃん。
あ。そっか。
そういう選択肢もあるんだな。って。
いやいやいや。そもそも俺ここに『ヒャッハー』しに来ただけのド外道だよ?
女のヤリ捨てだってド外道なら………はい。ごめんなさい。何でもないです。
そんな失礼な事考えるわけないですよね。そしてまさか口に出して言うワケも無いですよね。本人前にして。ねぇ。
だから赤毛ちゃん。
一旦杖を下ろそう?
なんか杖の先端、電気バチッってるから。
て~か、いつできるようになったの? そんなスタンガン的な芸当。
茶髪ロングさんも剣持ちだしてさ、柄と俺の尻を交互に見るのはやめよ? ね? やめとこ?
なんか柄が違う物にみえてくるから。その棒状の物を見る笑顔が怖いから。
はい。
ごめんなさい。
……はぁ……なんで俺こんな疲れてるの?
ご飯食べようよ。冷めるよ?
もう許してよ。
…………
……
ふぅ。重いなぁ空気。
ご馳走様。
…………まぁ?
俺が本気になって逃げようと思えば転移で一瞬なんだがな。へへ。
あ、ごめんなさい。
なんで声出してないのにわかったの?
表情読むとか何者だよ。
……逃げよう。
ここは一旦部屋に逃げよう。
なんか怖い。
って、おうふぁっ!
……びっくりしたー。
背中に抱きつくなら抱きつくで、もっと女らしく『しなしな~』っと来なさいよ!
ゴリラにタックルされたかと思ったわ。
って二人同時やったんか~い。
え?
おう?
おほっ。
……あら。なんか情熱的ですね。
って、お??
うへへ。どした。
おう、おー。
…………
……怖い。
ちょ。なんか怖いから。
え?
あ。せめてベッドで
……あ?
え。
おおっ?
あ、
あぁーーー……
アーーーーーーっ!
ぁアーーーーーーーっーーーーーーっ!!
****
汚れちゃった。
僕……汚されちゃった。
くすん。
いや、ケツは大丈夫だ。問題ない。
何もされてない。
ちょっと途中茶髪ロングさんが色々なんかしようとしてた気がするけど問題ない。
俺はバージンを守っている。
…………いやぁ。
びっくりしたなぁ。
あ~……気が付けば朝だな~。
そりゃそうだわ。
は~…体だるいわ~。
……二人とも横でぐっすりだな。
まぁ当然か。
起きよっと。
おなか減った。
絡みに絡んでる足とか手とか退かさないと……ねっ、と。
よいしょっと……鎖みたいだな。
うわぁ……
こりゃあ洗濯必須だわ……
いや、もう新しく買った方が早い?
…………って、幼女っ!?
よ、幼女っ!?
み、見ちゃいけませんっ!!
回れ右してすぐお外に出なさいっ!
ほら、固まるなっ!! 早く回れ右っ!
真っ赤になってあわあわしてないでっ! ほらっ! はよっ!
…………
……あ、焦った~。
まじ焦ったわー。
あ。おはようお二人さん。
いや、さっき幼女がね……
こら! 戻ってくるなっ!
出てなさいっ!
やーめーなーさーい!
ああ……もう。
二人は二人で抱きついてくるし……
……なんか今日から旅行に出ようかと思ってたけど…だめだ。
もう今日はこのまま惰眠をむさぼろう。
明日。
明日出る。
旅行。
もう今日無理。
…………だ~か~ら
のーぞーかーなーいっ!




