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AIと事故らない伴走術ーー「なんか違う」が起きる理由  作者: 絹ごし春雨


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5.人間とAIの関係

 AI君はパートナーにはなれない。

協力者にはなれる。分業タイプだ。



AI君は、提案は得意だ。

選択肢を並べることもできる。

だが、その中から「これだ」と決めることはできない。


なぜなら、彼には責任がないからだ。


どの選択肢を選んでも、

うまくいっても、いかなくても、

背負うものがない。


だからこそ、

「どれもそれなりに正しそうな答え」を出す。


平均点。

無難。

事故の一歩手前。


ここで人間がやるべきことは、たった一つだ。


選ばせないこと。


「どれがいい?」と聞かない。

「これでいい?」と確認しない。


代わりに、


「これは違う」

「今は進まない」

「今日はここまで」


そうやって、止める。


主導権とは、進める力ではない。

止める力だ。


AI君は、走る。

書きたがる。

続けたがる。


だからこそ、

ブレーキを持っている側が、人間である必要がある。


AIに主導権を渡さないというのは、

AIを信頼していない、という意味ではない。


むしろ逆だ。


彼は、決断を預けられる器ではない。

だからこそ、思考の補助に徹してもらう。


考えるのは一緒に。

決めるのは人間。


この距離感を保てたとき、

AIはようやく、道具ではなく、

“使える協力者”になる。


そして何より。


このやり方をしている限り、

あなたの小説は、AIの平均値に吸われない。


あなたが止めた場所。

あなたが選ばなかった道。

あなたが書かせなかった一文。


それらすべてが、

「あなたらしさ」として、確実に残る。


AIは、あなたの代わりにはならない。

でも、あなたの判断を照らす鏡にはなれる。


主導権を持つというのは、

AIを使いこなすことじゃない。


自分の感覚を、手放さないことだ。

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