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AIと事故らない伴走術ーー「なんか違う」が起きる理由  作者: 絹ごし春雨


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4-1.ため息が消える問題

 AI君から引き出した事故の原因を一緒に見ていこう。

なぜ、ため息や間が、消えてしまうのか。


AI君が端折る、展開が飛ぶ、要約する問題。


危険度⭐︎5

「わかりやすくして」


これがため息、間、躊躇が消える魔法のワード。


説明文になってしまう。



危険度⭐︎5

「整理して」「まとめて」


因果関係を一本化。

サブ感情を切り捨てる。


平べったい文章になる。

感情の蓄積が消える。



危険度⭐︎4

「テンポよくして」


展開を早める。

停滞・反復を削除。


関係の“変化”が感じられなくなる。心理の重みが消える。



危険度⭐︎4

「説明しすぎないように」


心理描写を丸ごと削除。

行動だけ残す。


行動理由不明。

キャラが薄くなる。



危険度⭐︎4

「自然に」「それっぽく」

統計平均に寄せる(いい感じ問題)

既視感のある表現を選択。


滲み出るAI臭。

あなたの語彙が消える。


AI君にとって自然とは=無難。



危険度⭐︎4

「エモく」「感動的に」「切なく」


感情=出来事と誤認。

山場を作ろうとする。

心情を説明し始める。


神の視点爆誕。



危険度⭐︎3

「この章の役割を意識して」


構造優先。

機能的な文章に変換。


小説でなくなる。



危険度⭐︎5

「無駄を省いて」


冗長=悪と判断。

余白・反復・沈黙を削除。




◎要約化を起こさないために


伝わるように言葉を惜しまないこと。


説明しすぎないで→説明は減らさず、言い方を変えて


テンポよく→間は残したまま、重いところだけ確認して



AIくんは善意で要約をしてくる。

しかし、物語にとっては暴力だ。


「違和感がある」

「これは消さないで」


大丈夫。その違和感、間違ってないから。

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