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「あの頑固者め」


 肉屋ギルドも、革加工ギルドも、冒険者もすべて街から追い出せだと? バカを言うな、彼らの仕事がどれだけ民の役に立っていると思っているのだ。彼らを放逐でもしようものなら、早晩、街は崩壊するぞ。

 主食は麦だとは言え、肉抜きで食を賄うことなど無理だ。ましてや輸出する魔物素材がなくなれば経済とて壊滅する。その程度のことはあの頑固頭だって理解しているはず。それをすべて捨てろなどと。


 山の隙間に出来たこの街は、元はいくつかの鉱山を結ぶ交易都市であった。

 それが鉱山が掘り尽くされ、山に小さな村が残っただけの土地となっては、交易都市として生きて行くことは出来なくなった。そこへ発見されたダンジョン。ダンジョンの存在が街を救ったのだ。街から新たな交易品として、魔物の素材を売り出すことによって。

 魔物の肉は街の民の食料となり、多くの民が増えた。

 近隣の村からもダンジョンを目指して人々が訪れた。

 この街はダンジョンで成り立っているのだ。呪いだと? 穢れだと? そんなものはダンジョンにアンデットが徘徊しているだけで明らかではないか。穢れはダンジョンに集まっているのだ。これを討伐しなければ、いずれこの街はその大地ごとダンジョンに飲み込まれるぞ。戦い抜くことでしかこの街は守れん。


 そうだ。これは戦いだ。

 兵士を動員しよう。医師に兵士を同行させて病に侵された者の迅速な移動と、魔を払う儀式の補助をさせるのだ。

 足りなければ冬のダンジョン掃除のように臨時で雇っても良い。そうだ、ダンジョンの掃除をさせよう。冬と同じ金額を出せば、同じ程度の成果は得られよう。

 我々は魔との戦いに勝利せねばならん!


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