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　いつもの水場までは魔物に合わずに来れた。

　そこで一泊。

　今日はもっと奥まで。川を上流に向かって進む。

　あの水場は、知っている場所だから安心だけど、おじさんの所で一緒だった人たちも使う。

　街で伝染病が流行るなら、街に出入りしている冒険者も危ない。

　病気になった人がダンジョンに入ってくるとは思えないけど、感染しただけで、まだ熱とかセキとか、そういう症状が出る前なら分からない。昔、小学生の頃、学校に来た後で熱を出して早退した同級生が居た。その後、そいつはインフルエンザだったと言って、数日休んだ。そしてクラスにはインフルエンザが流行って学級閉鎖になったんだ。

　だから、冒険者が来ない場所じゃないと駄目だ。

　伝染病は怖い。

　でも、魔物も怖い。

　ここから先には進んだことがない。

　兵士達と一緒に入った時には、掃除が目的だったからか全然違う方向だった。

　春の祭り準備で入った時もそうだ。細かい道は覚えていないけど、途中でこの水場は通らなかったはずだ。

　ゆっくりと歩く。周りをよく調べながら。

　どこまで行くのか、どこまで進むと安全なのか。それは分からない。ただ、生きていくのに水が必要だ。川からあまり離れたくはない。

　ああ、でも、大丈夫だろうか。魔物も水を飲みに来るんだろうか。だとしたら、川から少し離れてあるいたほうがいいんだろうか。でも、離れすぎて川を見失ったら。

　ゆっくりと。ゆっくり、考えがまとまるまでは。周りに気をつけながらゆっくり進む。