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 まったくあの新人も他の奴らと一緒か。

 宿屋の仕事に経験があって、ナイフを持っているからちょっとは利口かと思ったんだがなあ。ゴホゴホ。ッチ、喉の調子が悪いな。街にいる間に、武器の手入れに、服の繕い、革ひもが緩んでるところがあれば締め直し、切れかかっているなら新しいものに交換する。靴だってそうだ、いざという時に逃げ出すには靴が一番大事だ。そして情報も大切だ。俺達がダンジョンの中にいる間に何か変わったことはないのか、告知官様からの告知はなかったのか、ギルド同士のいざこざは、春祭りの時のようにギルドが動くことのないわけじゃない。

 顔見知りと合って、一緒に酒を飲み、話を聞く。そうやって情報を集めないと儲け話にもありつけねえ。

 街の奴らにとって、俺達は余所者だ。

 利益があるうちは笑顔で相手をしているが、一歩裏に回れば、村育ち、山育ちとバカにしている。ダンジョンにだって街の奴らは入りたがらない。そんなことは余所者にやらせておけ、ってのは街の奴らの考えだ。だからギルドが動くときだって来るのは、運よくギルドに入り込めた余所者か、拒否出来ない見習いばかりだ。

 それを忘れず、こっちから動いて情報を取りに行かないと何も教えてはくれねえ。表面上はどれだけ親しくなっても、だ。向こうから良い話しがあるんだよなんて言ってくることはない。

 ゴホゴホ、ったく。新人の奴らはそんなことも考えずに、狩りだ狩りだと。碌に休憩も取らずに行こうとしやがる。若い奴は体力があるから平気だと思い込んでいるんだろうが、休みなしじゃ体力より先に集中力が切れる。そうなりゃ、大したこともないところで失敗して大怪我だ。人がこれだけお膳立てしてやってるのに、それをさっぱり分かろうとしねえ。

 ……仲間数人と狩りをすると言って、俺のところを出ていく奴らもそうだ。すぐに姿を見なくなる。何人も、何人もだ。ああ喉が痛え、酒でも飲まなきゃやってられねえ。


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