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 長屋にいる冒険者達に挨拶をし、ダンジョンに入る準備をしているうちに数日が経った。結局、荷物は桶も含めて革の背負い袋に入れて持ち歩いている。

 長屋の管理をしている人が紹介してくれたのは見覚えのある人だった。春祭りの準備で肉屋ギルドに雇われて行った時に、その人も参加していたのを覚えている。中年のおじさんだけど、冒険者の中ではかなり年上っぽい。春祭りの準備に来ていた冒険者も大半が若い人で、何人か中年の人が混じっているという感じだったし。

 このおじさんには、他の冒険者に紹介してもらったり、肉屋ギルドの買い取り窓口を案内してもらったり、皮を売る先の革加工ギルドにも案内してもらった。なんでも、街には取引のルールがあるから、他の所に売ってはいけないらしい。例えば、屋台の店主が知り合いだからって、ダンジョンで取ってきた獲物の肉を直接屋台に売りつけるのはダメなんだそうだ。ルールを破った者は「ボコボコされて街から追い出される」と言われた。独占禁止法に引っかかりそうだ。いや、ここには禁止法がないのか。


 背負い袋の中で、荷物がカチャカチャと音を立てる。

 一方の肩に掛けるようにして背負った袋は、新しく買い足した袋だ。長屋には鍵を掛けることも出来ないし、知り合った冒険者に聞いても荷物は全部持ち歩くのが基本だそうだ。それで、おじさんに案内されてギルドを巡る間に露天で買った。

 他にも、肉屋ギルドでは肉を取った後の骨をもらい、革加工ギルドでは革の切れ端をもらい、と、なぜか一巡りしたところで骨のこん棒が手に入った。骨を綺麗になるまで洗ったり、滑り止めの革を上手く巻き付けたりするのには結構時間が掛かったけど、だたで武器が手に入った。骨のこん棒は見た目は良くないのに、なんかうれしい、振り回したくなる。そういう人は結構いるみたいで、まだ何もしないうちから街中で振り回すなよと釘を刺された。


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