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 広場はまだまだ慌ただしい。

 振舞いは終わり、臨時の屋台で出したものも大体は店じまい。だが、商業ギルドの者は臨時の屋台を解体するために指示を出す。

 春になったとは言え、夜はまだ早い。日が落ちる前に片付けを済ませようと木工ギルドの職人たちが忙しく立ち回る。


「クギはすべて取り外すんだ。木材を使える物と薪にする物で分けるのはギルドに戻ってからだ、今は全部ひとまとめでいいぞ」

「はい、親方」

「おらそこ、クギを抜くのはもっと丁寧にやれ。打ち直しが必要になるだろうが」

「へい、親方」


 クギを抜く者、木材をまとめる者。すぐに荷車が到着しては、バラバラになった木材を積んで持ち去って行く。


「やあ親方。祭りの日にすまないね」

「ああ?気にするな。いつものことさ。商業ギルドだって今日は仕事だろうが」

「そりゃね。近隣の村から人が集まるんだ、商売には良い日さ」

「ふんっ」

「お陰様で今年も儲けたからね。木工ギルドにも酒の差し入れをしてある、ここが片付いたら一杯やってくれ」

「おう、そりゃいいな。お前ら聞いたな、とっとと片付けるぞ」

「へいっ、親方!」


 クギを抜く者、木材をまとめる者。すぐに荷車が到着しては、バラバラになった木材を積んで持ち去って行く。

 祭りの広場は瞬く間にいつもの広場の姿に戻っていった。


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