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 魔物を倒すとすぐに処理を始める。

 今倒したウリボアなら皮を剥いで肉を取る。


 そのためにはまず穴を掘って、と。


「相変わらず血の臭いがうっとおしいな」


 掘った穴に血が流れ込むようにウリボアの位置を調整してから、喉を切り、血抜きをする。

 これをやらないと肉の味が全然違うし、そのまま解体しようものなら血だらけだ。

 血を被ってこのダンジョンをうろつくとか正気の沙汰じゃない。


 血が出切ったら皮を剥ぐ。

 腹のほうから内臓を傷つけないように慎重に切れ目を入れ、背にむかって皮と肉の間に少しずつ切れ目を入れていく。手間を惜しんで皮に傷をつければ値が下がる。面倒を嫌って肉を切れば食い扶持が減る。

 頭の高さだけならせいぜい膝くらい。四つ足のウリボアは体長で言っても人の半分ほどだろうか。

 小さいがその突進は馬鹿にできない、まともに食らえば足が折れる。そして2、3頭が一緒に行動しているから、なかなかに油断の出来ない相手だ。動きは直線的だから突進を躱すことはそう難しくはないのが幸いか。

 そんな相手だから、ウリボアの肉と皮は市場によく出回る。そして出回りやすいものは、値段も安い。

 3頭分の肉と皮を売っても、生活費としたら十日分程か。仲間で分けたら2、3日分。悪い稼ぎではないが、ダンジョンの奥に入って命がけで戦い、街まで荷物を持って歩くことを考えたら割りにあわない。


 幸い、解体中に辺りを警戒してる仲間は力が強い。

 ウリボアを倒すときだって、突進してくる一頭の頭を横から殴りつけて吹き飛ばしていた。剣を持ってるのに殴るのだから意味がわからん。

 力が余ってるならもう何頭か狩っても十分に持って帰れるだろう。


 考えながらも手は止まらずに解体を続ける。

 皮を剥ぎ終わったら、骨格に合わせて肉を大まかに切り分ける。内臓は引き出して血を落とした穴に捨てる。

 一匹目を手早く解体している間には襲撃はなかった。


 血の臭いが酷い。


 残り二匹。


 急がないと、臭いで何が寄ってくるかわからない。

 周囲の警戒は仲間に任せ、解体に集中する。


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