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拠点に戻ってからはいつもの作業だ。
まだ食べ物はあるから、泥炭を取りにいって乾かし、水を汲んでは体を拭き、火で肉を焼いて食べるだけで一日が終わる。
どこか探索するにしても、ウリボアを探して狩りをするにしても、泥炭は乾かしておかないと食事が出来なくなる。
十分な量を運んでくるだけで、簡単に数日が経つ。
やっと十分な量を拠点の傍に放り投げて、乾かすだけの状態になった。
今までなら狩りか、途中の道の探索かを始めるところだ。
一応、まだ、食べ物に余裕はある。
今回の塩の値段、臭いが染みついてしまった布の代わり、果物も少しくらいは買っておきたい。そう思えばもっと狩りをしたほうがいいだろうか。
あまり、順調に狩りが出来たとしたら、肉が余って腐りそうだ。
街まで肉を売りにいくのは、重すぎて嫌だ。
荷車みたいのが手に入れば、とも考えるが、荷車を手に入れるためのお金がない。
もっと簡単なのでなにかないだろうか。
肉屋ギルドに雇われてついて行った狩りでは荷車があって、人が引いていた。あれは荷物が多くても運べるからうらやましい。あのときは着いていっただけで、荷車を引いたわけじゃない。引いていたおじさんはすごく大きな体をしていた。自分には引けないような気がする。
もっと小さいのならなんとかならないだろうか。
それか、車輪が4つもないやつ。二輪とか、一輪の荷車ってあるのかな。
二輪だと自転車みたいになるのかな。前のカゴと後ろの荷台。あんまり運べなさそうだ。
一輪だと、一輪車が思い浮かぶ。とても安定しなさそうだ。一輪車が倒れ、荷物が転がっていくのが思い浮かぶ。
何か、車輪が少ないのもあった気がするのに、具体的なことが思い出せない。




