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無事に寝床まで帰ってこれた。
マスクを外して、ほっと一息つく。
心配していたように寝床が荒らされることもなく、残してあった肉も泥炭もちゃんと元と同じ場所にあった。
戻る途中で、冒険者の姿も見た。
街に行く時に出会った冒険者と同じ人達なのかは、正直、よく分からない。
別に人数を数えていたり、服装を覚えようとしてはいなかったし、みんながマスクを身に着けていたから顔が見えない。
その冒険者たちは、途中にある水場で休憩をしていた。
あの水場を拠点に狩りをするんだろうか。
おじさん達と狩りをするときにも寝床にしていた水場。もしかして、狩りのルートもおじさん達と同じなら、奥には入って来ないだろう。そうだといいな。
一息つき終わったら、水を汲む。
街までの往復に持ち歩いていた水袋は、もうほとんど空っぽだ。新しく汲まないと飲むものがない。それに体も拭きたいし。
体を拭いてると、布の汚れが気になってくる。
使う度に洗ってはいても、洗剤も石鹸もないし、汚れが落ちきらない。
街に行ったんだし、ついでに布も買えばよかった。でも、皮はあまり高く売れなかったし、塩は思っていたよりも高かった。布を買うのに、もっとウリボアを狩ったほうがいいだろうか。でも、食べきれないくらいに狩っても困る。腐らせたらもったいないし。
体を拭き終わったら、水袋に飲み水も補充する。
水場に使ってる川は、泥炭のある場所とは違うけど、一度、水から出て来る魔物を見てからは、出来るだけ短時間で済ませるようにしている。
水は澄んではいても、薄暗いから奥に何か居てもよくわからない。
もしかしたら魚もいるのかもしれない。
魔物のことがなかったら釣りの道具とか、探してみてもよかったんだけど、あれを見た後だと、川に引きずり込まれそうで嫌だ。




