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 ダンジョンに入る時は、またマスクを外して通った。

 入口にいる兵士はなんであんなに怖い顔なんだろう。


 買ったのは塩と、果物が2つだけ。

 皮を売ったから、荷物はとても少なくなった。

 だけど、塩は小さいのにとても重い。

 見た目の大きさだけ減って、重さはあまり変わらない荷物を背負って歩く。

 街に入る時に見かけた冒険者は、このあたりには居ないようだ。

 あの人たちはどっちへ向かっただろう。

 同じ方向だろうか。

 寝床の近くで会いたくはない。

 寝床には、今はこの前狩ったウリボアの肉が残してある。場所がバレたら持って行かれてしまうかもしれない。

 一応、段差の一番奥に置いてあるし、ダンジョンの中は薄暗いからすぐに見つかるとは思わない。前に兵士が通ったときも、奥に臥せっていたら気づかれなかった。

 だから大丈夫なはず。


 少し不安に思っても、帰る時間がそんなに変わるわけじゃない。

 薄暗い中でだって走ることも出来るけど、寝床まで走り続けることは出来ない。そんなに近くはないし、マラソンは苦手だ。それにそんなことをして疲れてしまったら、途中でウリボアに出会った時にとても困る。

 薄暗いダンジョンで、不安だけを抱えながら歩く。

 本当の荷物は背中の背負い袋の中だ。背中の重さと不安の重さは、どっちが重いだろうか。


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