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 ぜいぜいと荒い息を吐きながら、ウリボアを壁の近くまで引きずっていく。

 前に狩った時と同じように、ウリボアの突進から逃げながら逆手に持ったこん棒で突いた。前の時は何回目かでウリボアが転んで、それからは突進のスピードも遅くなったから大丈夫だった。

 今回は何度突いても、ウリボアが転ばずに延々と逃げ回ることになってしまった。

 何度も、何度も、突進を躱して逃げたことで、こっちも息が切れて大変だった。

 多分、その頃にはウリボアの突進のスピードも遅くなっていたのだと思うけど、それ以上に逃げるので大変だったのでよく分からない。


 最後は、足がもつれて転んでしまった。

 自分のほうが。

 その時に、自分の足にウリボアが引っかかったらしくて、がんばって立ち上がった時には、ウリボアは転がっていた。

 もしウリボアが転がってなかったら、次の突進を躱せたかどうか分からない。

 やっぱり自分は狩りに向いてないんだろうか。


 なんとか倒すことは出来たので、他から見つかり難いように壁の近くまで行って解体を始める。

 ここはおじさん達との狩りで通っていた道だ。

 解体の途中で次のウリボアが現れないとは限らないし、他の冒険者が通りかかるかもしれない。荒い息のままであっても隅に寄せないと危なくて一人で解体は出来ない。

 頭に骨に内臓と、解体で捨てていく部分を含めたウリボア一頭の重さは、肉だけの重さとは比較にならない。持ち上げることは最初から諦めて、隅まで引きずって歩く。皮に多少の傷が出来るのはしょうがない。

 ウリボアが狩れたから、また今日からしばらくの間は肉が食べれる。

 それだけを心の拠り所にして、疲れた中で解体を始める。


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