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長屋に居た人とは水場で別れた。
あんなに面倒な人だったっけ。
水場についても街まで一緒に行こうとか、革袋に水を汲んで来てくれとか、とても面倒臭い。
おじさん達との狩りの時は、何人もで一緒に行動していたし、あんまり親しくはなかったけど、普通に自分のことは自分でやっていたように思う。
もしかして、一人でダンジョンを歩くのが怖いとか。違うかな。
暗い脇道で会った時は、大分怯えていた。ダンジョンを一人歩いたのは初めてだったのかもしれない。
そうか、普通ならないかも。
自分の場合には、街から急いで逃げたくてしょうがなくて、一人でダンジョンに逃げ込んだ。
でも、狩りだったらもっと何人も組んでダンジョンに入る。
一人で狩りをするのは危険だし、倒した後で持って帰るのも辛い。とても重くて、とても辛い。
だからダンジョンを一人で歩くのは初めてだったんだろう。
でも水場から街へは帰るだけなら一日かからない。途中でウリボアにでも会わなければ。会ったとしても自分よりも狩りをしていた期間が長い人だから、大丈夫なはず。自分でも倒せたくらいだし。
それよりもお腹が空いた。
水袋は持っていたけど、食べ物がないと言われて、昼食用に持ち歩いていた肉をあげてしまった。
拠点まではもう少しかかる。
お腹が空いているから、もうお昼は過ぎたんだろう。
拠点に戻ったら、火を起こして肉を焼かないといけないから、食べれるのはもうしばらく後になる。
せめて、早く戻ろうと足を少し早める。




