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骸骨じゃなかった。
不幸中の幸い、と言ったら怒られるだろうか。
おじさん達との狩りで宿泊場所にしていた水場が大分近くなったから、探索はマスクを身に付けて行っていた。
だから人に会っても逃げ出さずに済んだ。
その前に、相手の悲鳴か。
随分と怯えている様子で、こちらの姿を認識したとたん、悲鳴を上げたんだ。
それでなんとか、こん棒で殴る前に人だということが分かった。
殴るのを止めて話し掛けてみたら、意外にも長屋に居た人だった。おじさん達との狩りでも一緒に居た人で、むしろ、革鎧を着てるのが羨ましくなった。あのときは誰も鎧なんて着てなかったし。
怯えている中で少しだけ話をしたら、長屋が閉鎖されてしまって兵士の仕事に着いたんだとか。革鎧は支給品らしい。
ちょっとだけ羨ましいと思ったけど、自分が行ってもまた食事係だろうし、まだ街に戻るのは怖いからいい。
兵士になったのになんで一人なのか聞いたら、道に迷ったという。
しょうがないので、探索はやめにして、水場までは案内することにした。おじさん達との狩りで宿泊場所にしていた場所だから、そこからなら街まで戻れるだろう。
脇道を出て、少し明るいところに着くまでの間、物凄く不安そうにしていた。
もしかして、この脇道の奥はとても怖いところなんだろうか。
それも聞いてみようかと思ったけど、聞きそびれているうちに水場が見えてくる。
別れる前に、「そのマスク、どこで買ったんだ」と聞かれたから、布を巻いてるだけだと答えた、革加工ギルドでもらった革の走っ切れも挟んでいるのも正直に教えた。
マスクが気になるのは、街では流行り病は終わってないからだろう。革加工のおじさんも気にしてたし。いや、呪いだっけ。本当はどっちなんだろう。




