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「なあ、あいつの言ってたこと、どう思うよ」


 そう仲間が話しかけて来たのは、拠点を出て狩りに出発してからだった。

 あいつというのは、臨時兵士の奴のことだろう。

 冒険者だが、長屋の閉鎖で臨時兵士になったらしい。俺達も、同じ村のやつらと部屋を借りてなかったらそうなっていただろう。冒険者にとって、街の宿は高すぎる。


「兵士が呪いに倒れたって話か? 街の中でだって大勢倒れてるだろうが」

「で、でもよ。口から顔が出て来たって」

「はんっ、大方、逃げるための口実だろうよ。呪いで倒れた奴の口から何か出て来たなんて聞いたこともねえ」


 こいつは昔から臆病で困る。

 村に居た時からそうだ。畑の中にいたヘビにびびっては腰を抜かして、ダンジョンに入るようになってからも、コウモリにびびっては腰を抜かす。


「で、でもよ。ひょっとしてよ」

「そんなに心配なら、他の兵士に聞いてくるか? 革加工のおっさんが居場所聞いてたから、行く気なら行けんだろ」

「そ、そんな。呪いとか」

「怖いんだったら近づかなきゃいいじゃねーか。革加工のおっさんも近づく気はないようだぜ」

「そ、そうか」


 そんな心配より狩りの心配をして欲しいもんだ。

 獲物が取れなきゃわざわざダンジョンまで来た意味もねえ。

 革加工のおっさんには世話になってるから、魔物は狩るがよ。肉屋のほうは別だ。村の奴を脅すようなマネしやがって、肉はダンジョンの中で食い切ってやる。


「そんなに心配なら、革加工のおっさんみたいなマスクでもしちゃどうだ。口を塞いどけば変なものも入って来れねえだろ」


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