132
朝は多めの肉を焼いて移動の準備をする。
ここ数日は、泥炭を取りに行く日以外はダンジョンの探索をしている。奥に行くのはやっぱりまだ嫌だから、街に戻った方向から脇道を探してそこを調べる。
改めて調べてみると、脇道というか、脇穴みたいのはいくつもあった。
人間が通ろうとしたら這って行けばなんとか、というような狭い穴がほとんどだ。そんな道とも言えない脇穴を調べる気はない。もしかしたらウリボアの通り道かもしれないし。這って移動している所にウリボアが突進してきたら、と思うと危険すぎる。
拠点にしているここよりも、もっと街に近い場所のほうがウリボアと出会うことに理由をつけるなら、脇穴が通り道ということは十分にあり得る。
肉を焼き終わったら布に包んで背負い袋の中へ。後は水を汲んで出発する。
脇穴以外の、人が通れるくらいの大きさがある脇道も一つ見つけた。そこは、前に見つけた脇道と同じ方向に思えた。
だから、行った先でまた崖があるんじゃないかと思った。
がっかりしないように、無駄に終わる予想で進んだら、崖までも行けなかった。行き止まり、脇道はだんだん狭くなってきて、立って歩ける道ではなくなってしまった。
屈んで歩けばもう少し進めた。
でも、先はなんとなくもっと狭くなっているように見えて、止めた。
やっぱり屈んで進んでも、ウリボアに出会ったら戦えない。
何かのテレビ番組で見た洞窟探索は、狭い所を這って進んだり、水に浸かりながら歩いたりしていたけど、このダンジョンでそんなことをしたら魔物にやられてしまいそうだ。
何日も探索していると、何かが見つかるような気はしなくなる。
なんとなくで、惰性で探索してるのかもしれない。
一応、おじさん達との狩りで宿泊場所にしていた水場までは調べてみようと思う。多分、なにも見つからないけど。




