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 キャベツに似た細長い葉野菜を、一枚づつ剥がしては水を張った桶に入れる。

 剥がした葉は土を落としながら食べやすい大きさに千切る。

 葉は全体を水に沈めながら洗わないといけない。

 葉についていた虫が桶の中でもがいている。


 裏で食事の仕込みを手伝いながら、少年はそっとため息をつく。

 鎖で縛られたような、重い枷で捕らわれているような、そんな動くことへの拒否感。体中が筋肉痛で、うまく動かせない。


 ここに来た初日は延々と走らされた。短距離の全力疾走を何度か、その後に長距離を何十分も。

 足の速い人、遅い人を分けたらしく、短距離も長距離も走る度にグループが分かれていった。


 2日目は、筋肉痛の足を引きずりながら、木の棒で突く練習をさせられた。

 槍を扱う練習だそうだが、号令に合わせて突きだけを延々と繰り替えした。

 こちらも段々とグループに分かれていったが、その基準はよくわからない。


 そして3日目、厨房の裏で仕込みを手伝っている。

 どんな判断が下されたのか。想像は出来る、だけど戦いに借り出されない安堵のほうが大きかった。


 宿の主人から、新しい仕事だと言われ、宿を出て移り住んでから3日。

 前と同じようなことをしているのは良い事なのか悪い事なのか。

 そして何よりも、体中が痛い。それはあまり良くない事だ。


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