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 そうだ、軸があるんだった。車輪を固定するのは軸に固定して、軸は穴を通すようにしてあった。荷車で軸が折れたと言って、それを交換してたんだった。

 思い出してはみたものの、作ろうにも材料がない。それに軸を通す穴はやっぱり丸くないと駄目なんだろうな。材料があったとしても、丸く開ける自信はない。道具もナイフしかないし。


 何日も経って、やっと腕の痛みが引いて来た。

 もうずっと、一生痛いままかと思うくらい痛みが引かなかったから、やっと痛みがなくなってほっとした。

 腕の痛みが引くまでだまって拠点に居るわけにもいかないで、泥炭を取りに何往復も歩いた。痛みで武器なんて振れないから、ドキドキしながら往復したけど、魔物には合わずに済んだ。

 あの水場でみかけた魔物はどうしたんだろう。前に通った兵士が倒してくれていると嬉しい。でも、油断して水に引きずり込まれたくないし、警戒はしていかないと。


 腕の痛みを我慢して泥炭を運んだおかげで、拠点には数日は困らないだけの泥炭が乾かしてある。それでもたった数日分だけど。

 どうしようか。

 腕の痛みが引いたから、魔物と戦うことも出来る。骸骨の通路の奥を調べに行くことも、ウリボアを探しに行くことも。

 正解はなんだろうか。

 ウリボアは、まだ、いらない。街からの帰り道で狩ったウリボアの肉はまだまだ残っている。今狩っても食べきる前に腐りそうだ。そうでなくても、肉は表面から色が変わって行く。どのくらいまで平気か分からないから、表面から順番に削るようにして食べてはいるし、前はそれで食べきれた。それでも、二頭分もあったら腐りそうだ。

 骸骨の通路は奥に何があるのか分からない。木があったり、明るい場所があるのかもしれない。逆に何もないのかもしれない。正解かどうかは行ってみないと分からない。

 泥炭を採った場所の奥はどうなんだろう。前は兵士が通って行った方向だからと止めた通路。兵士が向かったということは、奥に何かあるんだろうか。街に入った時に聞いて来れれば、いや、人に近づくのは怖い。誰からうつされるか分からない。

 いっそ、肉が残り少なくなるまで、ここに居ようか。


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