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 麦も残り少なくなってきた。

 塩はまだあるし、泥炭もまだあの場所に行けば沢山ある。水の中の魔物が怖いからあまり近寄りたくはないけど、ある。

 ウリボアは大分前に会った一匹だけがこの拠点で見た魔物だ。

 もっと街に近い狩りのルートだと、数日の往復でほぼウリボアに会えたことを思い出せば、ここにはほとんど来ないことになる。それとも、骸骨と戦ったり、泥炭を拾っている間に来てたんだろうか。いや、それなら泥炭を拾って帰ってくるときにでも出会ったはずだ。

 なぜこの場所にはほとんど来ないのか。

 安心して休めるという意味で良いことだけど、食料が残り少ない今はちょっと困る。

 一匹だけ狩れたウリボアの毛皮はある。街に持って行って売れば、また麦を買うことは出来る。


 あの病気はどうなっただろう。


 昔の話だと、ペスト医師なんて専門の医者が出来るくらいに酷く蔓延したらしい。ここの街でも同じだろうか。街で見かけたマスク姿は本の挿絵で見たペスト医師そのものだった。

 それなら、医療技術は。

 ここには魔法があるとは聞いた。でも、街の中で魔法を使ってる人を見たことがない。

 使える人が少ないなら、小説やゲームで見るような治療魔法が一般的だとも思えない。

 公衆衛生も、無理。

 宿にもお風呂はなかったし、井戸から汲んだ水で体を拭くだけだった。街の外から、旅をして宿に来る人の中には商人もいたのに、お風呂で体を綺麗にしてから商売、という感じではない。実際、街中が臭いし。


 やっぱり、考え直してみても街には近寄りたくない。

 ウリボアが狩れれば、まだ塩はあるし、でもどこなら居る。

 この拠点なら草の罠が使えた。今はもう枯れてしまったから、罠になってないかもしれないけど。場所を変えるなら何もない所で戦うことになるかもしれない。

 大丈夫だろうか。


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