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 無理だ。あれは無理。

 倒せるか、倒せないかで言ったら、倒せる。けど、すごく大変で、一体を倒しても少し歩くとまた出て来る。

 あの道を奥まで行くのなんて無理だ。

 あの骸骨、骨しかないように見えてすごく固い。いや、骨が固いのは分かるけど、頭をこん棒で殴っても、頭が外れるわけじゃないんだ。肉も皮もないくせに、頭が載ってるのは小さく重なった首の骨のくせに、頭をこん棒で殴っても、少し傾くくらいで頭が取れるわけじゃない。

 伸ばしてくる手を払いながら、体中の骨を何十回も叩いて倒さないといけない。

 筋肉がないから繋がってないはずの骨同士は、思いっきり殴っても外れないのに、骨自体は折れる。腕の骨を折れば、そこから先の手は地面に落ちる。

 だから、骨が折れるまで何十回も叩く。体中がバラバラになるまで骨を折れば、一応、倒したことになる。手の先で指だけ動いていたりするけど、それはもう、どうでもいい。歩いて襲って来ないから。

 それだけ大変な思いをして倒しても、何か手に入るわけじゃない。

 三体の骸骨をなんとか倒したけど、そこで時間切れ。骸骨が現れるような所で眠れるわけはなく、あとどのくらい進めばいいのかも分からず、元の寝床に戻って来た。

 麦はまだ残ってるから、食べるものはある。でも骸骨の相手をしてて泥炭を補充してないから、いつ燃料がなくなるのか、それが怖い。

 今日、倒した分だけ、明日は戦わずに奥にいけたとして、後、何日必要なのか。そもそも奥には、ここと同じくらい安全な寝床があるのか。


 くたくたに疲れて横になりながら、改めて考える。

 暗い脇道を進む以外に方法はないのかと。

 兵士が通り過ぎて行ったから、ここにも人が来ると分かったから、もっと奥に行こうとした。病気が怖いから人には会いたくない。

 でもあの道の先はどうなってるのか分からないし、骸骨が出る。だから行きたくはない。

 どうせ移動するのなら、明るい道で、水があったり、泥炭が取れたりするほうが良い。でもそっちは兵士が進んだ方だし、水の中にはウリボアを引きずり込んだ何かがいる。

 どうしよう。


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