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「なあ、今日のあれって意味あんのか」
「知らねぇ」
よく分からないが、今日は延々と走らされた。
訓練場の端から端まで全力で走るのを数回。その後は訓練場の外周を何周も走らされた。何のためにやってるのかさっぱり分からない。
長屋が閉鎖されるからって、住込みでダンジョンに入る仕事を紹介された。長屋の管理をしていたおっさんからだ。
住込みで食事が出ると言われたものの、狩った獲物が自分のものにならないんだという話しで、行くかどうかは大分悩んだ。結局は、泊まる所がなかったから、知り合いはほとんど参加することになったけど。旅の商人なんかが使う宿は、泊まり続けるには高すぎる。あんな所に泊まり続けられるのは、立派な金属の鎧を着るようなすげえ冒険者くらいだ。
そうして、しょうがなく来たのは、街でもたまに見かける兵士たちの所だった。
俺達はダンジョンにも入り慣れてるし、すぐにダンジョンで狩りをするのかと思ったら、違った。
今日はずっと走らされた。
何のためにやってるのかさっぱり分からない。ダンジョンに入る仕事じゃなかったんだろうか。
「でも、今日の分も金もらえるんだろ?」
確か、兵士はそう言ってた。
自分達でやる狩りとは違って、ここで働く間は毎日お金が支払われると。
「最後にまとめて、だろ。本当にもらえるのかよ」
日払いだったら長屋が使えるようになった所で辞めることも出来るのに。最後の日にまとめて払うらしい。長屋のおっさんの紹介だし、払ってはもらえないとは思わないけど、今日の分もちゃんと入ってるのかは分からない。
長屋よりもずっと立派な部屋だし、同室の奴らは一緒に狩りをしていた連中だ。別に気をつかうこともない。
でもなぜか居心地が悪い。
延々と走らされて腹が立っているのかも知れない。明日はダンジョンに入れるんだろうか。




