第六話 突入
こんにちわ!
寒いですが、久々に投稿します!
隼人は宮城での河童型アンドロイド襲撃事件を解決し、取り調べを終えて無事研究所に帰還した。手強い相手と戦った上、取り調べで拘束されて少し疲労していたが、彼は研究室に入るやいなや田中に報告し、戦闘データを提出した。
「ただいま。無事片付いたよ。あと、これが今回のデータ。」
「おお、おかえり!遠くまでご苦労だったな。」
「別に。堅物刑事以外は特に問題なかったし。」
「とにかくお疲れ様。」
田中は隼人にお茶を出し、疲れた彼を労った。
「それで、あの後進展はあったの?」
「まぁ、そう焦るな。とりあえず、これを見てくれないか。」
田中はタブレット端末を取り出し、画面を起動する。そしてディスプレイにはあるデータが映し出されていた。
「これは…」
「そう、ゼインが解体された年と佐々木の不祥事が発覚した年、そして佐々木と柏木が密会した日とアンドロイド事件、ほぼ一致しているのだ。」
「単なる偶然じゃないの?」
「偶然にしては少しできすぎていると思うんだがな。」
「そもそも、あのガマルってやつ殺されたんじゃないの?あと、佐々木とゼインの接点がわからないよ。」
「次のページを見てくれ。」
隼人はタブレットの画面を指でスライドさせ、次のページを開く。
「よく見ろ隼人。佐々木はかつて軍用兵器を開発し、それがバレて大学を追い出された。その提供先の中にゼインが含まれていんだ。」
「なるほど、そういうことか。」
「おそらく、その時だな。人格をコピーしたのは。」
田中はそう言った。何故彼が軍用兵器を開発し、ゼインに付いたのかは分からない。だか、繋がりが見えた以上、もう無視はできなくなった。
「あとはやつがどこにるか分かれば完璧だね。」
隼人は少しご機嫌な様子でそう言う。もう少しであのアンドロイドと戦わなくて済むと思うと少し安心だった。
「とにかくそれに関しては今調査中だ。分かったらまた教える。」
「了解。じゃあね。」
そう言い残し、隼人は足早に研究室を後にした。
「何も進展がない…。」
あれから10日間。田中たちは佐々木と柏木の居所を探していたが、全くつかめていなかった。隼人も空き時間を利用して調査に協力していたが、手掛かりゼロだった。そんな隼人は少し憂鬱な様子で教室の椅子に座り込んでいた。
「これだけ頑張って探したのに…。」
隼人たちが調査をしている最中でも、アンドロイド襲撃事件は数件発生した。現れた敵をただ倒すだけで根源を何も解決できない隼人は、自分に憤りを感じていた。そんな時だった。
ピリリリリ…。連絡端末の音が鳴り響く。
「もしもし。」
『もしもし隼人?』
「田中さんか。どうしたの?」
隼人は3Dディスプレイに映し出された田中に質問する。
『実は少し気になる情報を掴んでな。』
「何?」
隼人がそう言うと、田中はディスプレイに写真を映し出す。
『ここはシリウスカンパニー。表向きは人工頭脳の開発業者だか、裏で兵器ロボを開発し、外国に密輸していたことが分かった。更に、佐々木と柏木の二人がよく出入りするところが目撃されている。』
「分かった。ってことは…。」
『そうだ。突入して奴の尻尾を掴むんだ。』
「了解。」
隼人は端末を切る。そして物陰に隠れて…。
「装甲起動!」
ウインメタルに変身し、猛スピードでシリウスカンパニーへと向かったのだった。
「ここか。見た目はなんの変哲もないな。」
ウインメタルがいるのは、郊外にあるとある企業の建物の前。そう、田中が教えてくれたシリウスカンパニーの本社前である。ウインメタルは早速ハイパーサーチで辺りを探ってみる。
(電磁柵に武装した警備ロボが多数か…。普通の企業にしては厳戒過ぎるな。)
そう思ったウインメタルはアーマーをステルスモードに切り替え、門をよじ登る。スタッと地面に降り立ったが、幸い警備ロボに気づかれてはいないようだ。
(侵入はできたけど、奴らはどこにいるんだ?)
門を超え、少し歩くと建物の自動ドアドアがある。しかし、ステルスモードにするとセンサーにも反応しない為、開かない。しかし、ここで解除してしまうと気づかれてしまう。
すると…
(良かった。人が来た。)
中から社員と思われる若者が出て来て、自動ドアが開いた瞬間を見逃さず、素早く侵入。早速中をサーチする。
(どこもかしこも普通の部屋だな…ん?ここに変な空間があるぞ。地下か。)
ウインメタルは一階の一番奥にある階段へたどり着いた。更に分析すると、床の部分に隠された階段があり、地下へと続いている。床板をこじ開け、下に降りていくウインメタル。
(随分潜るな。一体下に何があるんだ?)
そう思いながら、最下層と思われるところに到着。すると長い通路が続いていた。しかもその横には…。
(アンドロイド…。やはりここか。)
小さめの格納庫を思わせる壁に、無数のアンドロイドが並んでいた。どうやら動力は入れられていないようである。その通路をずっと進んでいくと、ドアが一つあった。
(ここか?しかし、ロックがかかっているな。)
ドアにはダイヤル式のロックがかかっており、簡単に入れない。しかしウインメタルはシステムにアクセスし、パスワードを解析。あっさりと中に入った。すると。
「誰だ?」
「何でドアが勝手に開くんだ?」
そこにはいた。この事件の首謀である、佐々木と柏木が。ここまでくればもうステルスモードは大丈夫だ。
「動くな!ウインメタルだ!貴様ら二人を退治しに来たよ!」
ステルスモードを解除し、メタリックガンを二人に向けるウインメタル。彼の治安をかけた戦いは、今幕を開けようとしていたのだ。
どうも。
寒いし忙しいし、中々いいネタ思いつかなくてごめんなさい。
投稿も遅れ気味で申し訳ないです!
いよいよ宿敵が現れて、面白くなってきました。
次回はいよいよ第一章の佳境です!
お楽しみに!




