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甲鉄戦士ウインメタル  作者: 東洋連合
第五章 有牙人編
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第六十話 人に似た者

こんにちわ!

有牙人の正体を探ります!

ウインメタル及び有牙人の捜査チームはイポー郊外の森林にて3人の有牙人と遭遇。ウインメタルはメタリックガンで捕獲しようとしたものの突如二人の有牙人から襲撃を受けた。その後一人を捕獲し二人は逃走。捜査チームは詳しく調べるため、捕獲した一人の有牙人を連れてまずはタン教授の研究チームが所属するイポー科学大学へと向かった。そして、研究室で詳しい分析が行われていた。

「もしもし、田中さん?」

「おう、隼人か。どうした?」

隼人は変身を解除して田中に一連の出来事を報告した。

「牙人間…まぁ、有牙人って名付けられたんだけど、一人を捕獲して色々分析している所なんだ。」

「おう、そうか。まぁよくやった。後でデータが見たいから送ってもらえると助かる。」

「いや、手っ取り早くその場で報告するよ。早くみたいでしょ?」

「そうだな、分かった。」

そう言うと隼人は連絡用端末を音声通話から映像通話モードに切り替え、田中も映像越しに報告が聞けるようにした。タン教授とエリカが色々と分析しているが、どうやら一通り終わったようだった。

「お待たせしました。」

「それで分析結果を報告しましょうか。」

エリカとタン教授はそう言って奥にあるガラス張りの部屋から出てきた。その部屋には捕獲した有牙人が残されており、すっかり目が覚めた有牙人は暴れるわけでもなく何が起こったか理解できない様子で部屋の中をうろうろしていた。

「あ、田中さん。」

「エリカ、ご苦労だった。」

「いえいえ、面白いデータが取れたので報告を楽しみにしていました。どうぞご清聴ください!」

エリカはご機嫌そうに映像に映っている田中に声をかけた。そして、タン教授が分析結果を話し始める。

「エリカさんの協力もあって分析がかなり早く終わりました。それでは、まず当該有牙人の身体的特徴から始めます。」

コホン、と一息置いてからタン教授が口を開く。

「この有牙人の性別は女性。年齢は25歳。身長165cm。体重54kg。しかし、筋肉が我々人類に比べて発達しており、握力は90㎏以上あります。肌は白く白色人種に近いですが髪の毛の色や質は東洋人によく似ており、脳の大きさも1390ccと現代人よりやや小さいものの知能としては現代人と大差はありません。しかし、喉の奥の上気道が短く一部の発音が出来ないと見られます。」

「つまり、知能は私達と同等だがしゃべるのが下手…ってことか。」

そう言ったのはリンである。そして、隼人の方も彼女達がまるでガアガアと叫ぶような言葉を使っていたのも人に比べて発音能力が低かったからだと納得がいった。タン教授はそのまま説明を続ける。

「その反面、視覚、聴覚、三半規管は現代人より優れています。先ほどエリカさんに視力を分析していただいた所、人間でいえば3.6以上の視力を持っていることが分かりました。消火器や心肺と言った内蔵の大きさや仕組みは現代人とほぼ変わりません。骨格は身体こそ現代人とほぼ同じですが、顔に関して言えば顎が前面に突き出ており、サルに近くなっております。あとは15㎝の長い牙が生えている位ですね。身体的特徴はこんなものでしょうか。」

「なるほど。やっぱり人に似ているね。でも、遺伝的・分類学的にはどうなの?まさかあの物好きな大学教授が言うように本当に人型宇宙人とかじゃないよね?」

隼人はふと、出発前に見たテレビ番組を思い出して聞いた。するとエリカが答える。

「そのことに関しては私がお答えします。」

エリカはそう言って分析結果を話し始めた。

「血液、毛髪から遺伝子を採取して調べさせてもらいました。結果、この人に似た生物はホモ・サピエンスではないもののヒト科の霊長類であることには間違いありません。」

「ってことは、人類、ゴリラ、チンパンジー、オランウータンとも違う第5の新種ってことなのか?」

再びリンが身を乗り出して聴く。エリカは冷静に答えた。

「ええ。ですが現在確認されている生物の中ではチンパンジー以上に人類に近いです。交雑して子供を作ることも可能でしょう。」

「つまり、僕ら人間の親戚ってこと?進化上の関係はどうなんだろう?」

隼人は聞いた。サルでもないがホモ・サピエンスでもない、でも人には限りなく近いこの謎の生物の正体は誰もが気になっていた。そして、エリカは再び続ける。

「恐らくですが、10万年ほど前から人類との共通の祖先である古代人から分化したものでしょう。もう少し詳しく調べる必要がありますが。」

そう言ってエリカの説明は終わった。誰もが驚愕の表情をしている。

「どう思う?田中さん?」

「うん。私は新人類であると踏んで間違いないと思う。凄い発見かもな。」

隼人の疑問に田中はそう答えた。それに乗ってきたのはタン教授だ。

「すごい!新種生物、いや新種の人類発見だ!これは正義の出来事ですぞ!彼らの暮らしぶりに関しても知りたいものだ!」

タン教授はご機嫌な様子でそう言った。そして隼人は気になっていたことを聞いた。

「ねえエリカ。分化した古代人って何か分かる?」

「絶滅種人類の化石さえあれば分析して正確に割り出せるのですが。」

そう言ったエリカ。そしてリンが聞いた。

「タン教授。この大学に人類学を研究している所はありますか?」

「おお、有りますぞ!人類新化学のジョージ・ヤン教授なら色々持ってるでしょう。」

「じゃあみんなでそこに行こう。とことん調べて真実を知ろう!」

そう言って隼人はみんなを引き連れてジョージ・ヤン教授のもとへと向かったのだった。

こんにちわ!

新しい人類とは夢がありますね。

もしかしたら本当にいるかもしれないと思ってます!

それではまた次回!

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