第四十七話 調書
こんばんわ!
久々に更新します!
チェリー&ベリーはウインメタル達の予測通りに夜の横須賀基地に現れ、軍事品を盗もうとしていた。しかし、ウインメタルとエリカの活躍によりチェリーは逃したものの未遂で食い止める事ができた。初めて盗みに失敗させただけでも功績は大きいだろう。
「ありがとう、ウインメタル。あれを盗まれると大変なことになるから助かったよ。」
「しかし、チェリーの方を取り逃がしてしまったことは大変申し訳なく思います。」
がっくりするウインメタルにアンダーソンはそう労った。ただ、二人共逮捕することを目標にしていたウインメタルとエリカは残念に他ならなかった。
「逃してしまいましたが、すぐに捕まえて見せます!覚悟しておきなさい!」
エリカも悔しそうにそう呟いた。そして、確保されたベリーは駆けつけた地元の警察に身柄を引き渡され、警察署へと連行されていった。
翌日。
「お前の相棒は取り逃がしたがまあいい。洗いざらい話してもらうぞ。」
ここは神奈川県警横須賀警察署の取調室だ。ここでは今、中年の男性刑事である川島刑事によってベリーの取り調べが行われる。ベリーの方はやや不満げな表情で椅子に座り、川島を睨みつけていた。盗みの時に使われた仮面は外され、その顔が顕になっている。ベリーの顔は堀が深くて目が大きく、白人を思わせる風貌たが、髪の毛の色や目の色は黒く、東洋人的な特徴も見られ、一見して人種や国籍を判別できなかった。因みに、後ろには虚偽発言を見破るためにスピリットセンサーを起動させたウインメタルも待機しており、アンダーソンとエリカが外からその様子を見守っている。
「言っとくけど、僕たちの前で嘘をついても無駄だからね。お前の精神は僕が掌握してるも同然だから嘘言ったらただじゃ置かないよ。」
ウインメタルもベリーにそう釘を刺した。
「分かったよ。なんでも聞けよ。」
ベリーは観念したのか吐き出すようにそう言った。そして、川島が質問を始める。
「お前の本名、出身地、そして相方との関係を教えてもらおうか。」
「名前か。無いも同然だけど取り敢えずベリンダ・ローとでも名乗っておくわ。」
「ふざけてんのか!?」
「ふざけてないわ!」
声を荒げた川島にベリー=ベリンダはそう答えた。そして、ウインメタルも冷静に言う。
「川島刑事、彼女は別に嘘を言ってるわけじゃないよ。取り敢えずベリンダ・ローとして処置しておこうよ。」
スピリットセンサーで測定したウインメタルは彼女が真実を言っている事を確認した上で、川島を落ち着かせた。気を取り直して川島は取り調べを続ける。
「じゃあベリンダ・ロー。教えてもらうぞ。お前はどこから来て、何が目的だ?相方とはどこでどうやって知り合ったんだ?」
川島がそう言うとベリーは少し目を落として黙り、その後何かを考えた後思い口を開いた。
「嘉手納だよ。いろいろあってアメリカに住んだこともあったけどな。チェリーは私の姉さんだ。私はただ単に軍とか自衛隊を苦しめて楽しみたいだけなんだ。」
「うん、嘘は言ってないみたいだね。君を始末する準備はできていたけどその必要はなさそうだ。」
ウインメタルは発言に嘘がない事を確認してそう言った。しかし、一つ引っかかる部分があった。
「僕からも一ついい?どうしてそこまで軍や自衛隊を憎み、基地を襲撃するんだ?金目当てというだけではなさそうだが?」
ウインメタルはベリーにそう質問した。ベリーはため息をついたあと、呟くように言った。
「今は言いたくない。だが、金だけじゃないよ。取り敢えずここから先は今黙秘させてもらう。」
ベリーはそう言ってそれ以上は語ろうとせず、黙秘権を行使した。これ以上は意味がないと判断した川島は取り調べを終了させ、ベリーは再び拘置所へと連行された。
「昨日の今日でご苦労だったな。」
「ええ。まぁ一番知りたかったところを吐かせられなかったのは残念ですが。」
アンダーソンが取調室から出てきたウインメタルに声をかけた。ウインメタルの方は核心に触れられず少しがっかりしている。
「取り敢えず、向こうが言わないなら私達で調べてみるのはどうですか?」
エリカがそう言う。するとウインメタルはうなずきながら言った。
「そうだな。向こうもプロだからそんな簡単に全部自白するわけもない。取り敢えず、田中さんに報告して調査に向かおうか。」
そう言ってウインメタルは今までの経緯を報告すべく、端末で田中にコールしたのだった。
こんばんわ!
更新が遅れて申し訳ありませんでした。
チェリー&ベリーの秘密や、逃亡したチェリーの行方などまだまだ謎が残ってますが、少しずつ明らかにしていきますんでお楽しみに!
それではまた次回!




