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甲鉄戦士ウインメタル  作者: 東洋連合
最終章 クロノギラス編
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第百三十一話 決戦は海の中で

こんにちわ!

さあ、いよいよ最終決戦です!

「フフフ。遂にこの時が来た。クロノギラスの本当の恐ろしさを多くの人間にお披露目できる。あまたの命の犠牲を以てな!」

ウォールズはクロノギラスを潜行させながら、不敵な笑みを浮かべて次の目的地へ向かっていた。彼は様々な思いを頭の中にはびこらせながら、怒りを込めたように拳を握りしめる。

「どうしてだ!どうしてだれも認めてくれないんだ!世界最高峰の頭脳を持つこの私を!この私の提案を!」

ウインメタル達も調べがついているように、彼は古生物の研究に関しては抜きんでた物があるが、勝手に化石や剥製のサンプルを盗むなど許されざる行いも数多く行っている。

「だが、このクロノギラスさえあれば私は返り咲きが出来る!マンモスの時に私を追放したやつらは今頃後悔しているだろう!フハハハハハ!」

弱ったゾウを改造してマンモスを作ろうとした際に学会から追放処分を受けた事をまだ根に持っていたウォールズは、高らかに笑いながら海中に姿を消して言った。


-ハワイ ホノルル市 AM11:00(現地時間) -

ハワイ最大の都市、オアフ島のホノルル。毎年国内外から多くの観光客が訪れ、この日も美しい海、浜辺の下、大勢の海水浴客が観光を楽しんでいた。しかし、そんな楽しい空気はすぐに崩されることになる。

「ねえ、あれは何?」

ビーチを眺めていた女性が異変に気付く。沖の方から何かが猛スピードで上陸してくるのが見えた、『やがて影はどんどんと白い砂浜に近づいて、その正体を現す。

「きゃぁぁぁ!」

「化物だぁ!」

「逃げろぉ!」

ビーチに現れたのはクロノギラスだった。前回ウインメタルと対決した際にできた傷は、既にウォールズによって修復されている。そんなクロノギラスの姿を見た海水浴客は悲鳴を上げながら一斉に逃げだした。

「フハハハハ!海南島では邪魔されたが、今度はそうはいかん!行け、クロノギラス!上陸して町を破壊するのだ!」

「ギィィン!」

狂気に満ちた表情を浮かべるウォールズに応えるかのように咆哮をあげたクロノギラスは、身体に付いている四つの鰭を変形させ始めた。体に直接ついている鰭はやがて収納されていたであろう関節が現れ、先端は鋭い爪をもつ指を生やし、完全に手足に変形した。

「さあ、本領発揮だ!何もかもぶっ壊してやる!」

ウォールズがそう言うと、クロノギラスは背中からランチャーを出し、そのまま誘導ミサイルを発射した。ミサイルは逃げ惑う人々もろとも建物を破壊し、美しい砂浜は一瞬にして瓦礫の山になってしまった。

「そこまでだ、ウォールズ!」

その直後、クロノギラス内部に通信が入った。その声の主は勿論…。

「フフ、来たかウインメタル!」

ウインメタルが上空から猛スピードで降下し、クロノギラスの正面に降り立つ。そして、メタリックガンの銃口を向けながら言った。

「お前の顔はもう割れている!こんなバカなことを止めて、大人しく投降しろ!」

ウインメタルはウォールズに投降するように要求したものの、そう簡単に従うウォールズではなかった。

「バカだと?!この世界最高峰の頭脳を持つ私をバカ呼ばわりだと!ウインメタル、貴様だけは絶対に許さない!このクロノギラスで跡形も無く消し去ってやる!やれ、クロノギラス!」

「ギィィィン!」

クロノギラスは咆哮をあげながら熊のように二本足で立ち上がった。そして、鋭い爪が生えた左の鰭を思い切りウインメタルに向けて振り下ろし、爪で串刺しにしようとする。ウインメタルはすぐに回避してメタリックガンからビームを放つが…。

「くっ、やはり硬いな!」

「無駄だ!1万mの水圧でも平気なボディにそんなおもちゃが聞く訳ない!」

鰭に向かって攻撃してもやはり大した効果は無い。そして、更にクロノギラスの猛攻が続く。

「これでも食らえ!砲撃なんて、こっちも装備済みなんだよ!」

ウォールズがそう言うと、クロノギラスは大きな口を開き、その口の奥が青白く発光している。

「死ねぇ、ウインメタル!」

クロノギラスの口からは物凄い熱量を持ったビームが発射された。空気を切り裂くような轟音を響かせ、一瞬の内にウインメタルを飲みこむ。

「ハッハッハ、呆気ない最後だったな!」

勝利を確信したウォールズは、楽しそうに笑いながらそう言った。しかし、そんなウォールズの確信は一瞬の内に崩される。

「何?!」

「早とちりも過ぎるよ、ウォールズ!」

驚くウォールズの目の前には、ウインメタルがほぼ無傷の状態で立っていた。

「ビームのお陰で僕も力をもらえたよ、ありがとう!」

挑発するようにそう礼を言ったウインメタル。ウインメタルはクロノギラスからビームが放たれた直後にドレインモードを展開。ビームのエネルギーを全てアーマーに吸収し、パワーアップしていた。

「おのれ、小癪な!」

「今度はこっちの番だ!」

ウインメタルはそう言うと、素早くクロノギラスの足元に回り込んだ。そして、巨大なあごに向けて力いっぱいアッパーをくらわす。

「うわぁぁぁ!」

「スピード勝負なら僕だって自信あるよ!」

ウインメタルのパンチを受けたクロノギラスは、そのまま水しぶきを上げながら仰向けにひっくりかえる。そしてウインメタルはそのままクロノギラスの喉元にしがみつき、メタルウイングを展開させて飛び上がった。

「これ以上お前に迷惑行為をされちゃ困るからこうさせてもらうよ!」

そう言ってウインメタルは沖の方へ向けて飛び上がった。一方で飛ぶ事が出来ないクロノギラスはく持ち上げられている状態では何もできない!

「クソ、放せ!何をする気だ!」

ウォールズはクロノギラスの中で怒鳴り声をあげる。そして、周りに島などが無い海上に来ると、ウインメタルはクロノギラスを抱えたまま水中に飛び込んだ。そしてどんどん深くへ潜っていき、やがて光が届かない真っ暗な深海へ到達した。ウインメタルはそのままクロノギラスの頭を海底に突き刺した。

「深海に耐えられるのは、君だけじゃないよ。」

ウインメタルは軽やかにクロノギラスから離れると、そっと海底に着地した。そして、クロノギラスはすぐに体をくねらせて海底から頭を引っこ抜き、再びウインメタルの方へ向き直る。

「よくもやってくれたな!だが、お前はミスをした。水中なら私が有利なのは説明するまでも無いだろう。」

「それはどうかな?そっちこそ僕を甘く見ない方がいいよ。」

たがいに牽制し合うウインメタルとクロノギラス。光も無く冷たい深海で、最後の戦いが今始まろうとしていた。

こんにちは。

最終決戦の場所は深海です!

不利なはずの場所でウインメタルはどう戦うのか?

次回もお楽しみに!

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