表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
甲鉄戦士ウインメタル  作者: 東洋連合
第七章 レイダー編
107/136

第百五話 怪物の去った後

こんにちわ!

ゲラウスを倒したウインメタルとエリカ。

果たしてどのように地球へ帰るのでしょうか?

半ば暴走状態とも言えるほど猛威を奮い、ウインメタルとエリカを敗北寸前まで追い詰めた怪物ゲラウス。だが、ウインメタルとエリカは最後まであきらめずに立ち向かい、ハイパーウインメタルに合体後、捨て身の賭けともいえる特攻作戦を実行。見事ゲラウスを完全に消し去ったのだった。そして、その光景は離れた場所で見守っていたルーン達の目にも焼き付いていたのだった。

「げ、ゲラウスが…。」

「爆散した…?」

「信じられない…。」

仲間のレイダー星人達は目の前で起こった事をまるで夢でも見ているのではないかというような感じで呆けていた。そして、ルーンの方もいい意味で予想外だった結果に驚きを隠せなかった。

「す、すごい。本当にあのゲラウスを消滅させるなんて…。」

およそ10年に渡り、レイダー星の生態系を狂わせてきた環境汚染の産物のゲラウス。その全ての元凶がいなくなり、レイダー星は平和への一歩目を踏み出したといっても過言ではない。そして、上空からはその勝利の立役者が舞い降りてきたのだった。

「みんな、お待たせ!」

「ただいま帰還しました。」

金と銀に輝く戦士=ハイパーウインメタルはゆっくりとルーン達の前に降り立った。見たことも無いその姿に一同が驚いたのは言うまでも無い。

「えっと?その格好は…?」

「僕達は合体することによってハイパーウインメタルになれるんだ。こうして強化されたおかげでゲラウスを倒す事が出来たよ。」

「皆さん、ご安心ください。ゲラウスは完全に消し去りました。これでもう滅亡の危機から解放されましたよ。」

「ほ、本当にもう大丈夫なのね?」

ルーンはさらに聞く。

「ご安心ください。ゲラウス消滅によって、粒子の濃度はどんどん低下しています。」

「もう大丈夫だよ。これで君達レイダー星人の女性も拘束される理由がなくなるし、地球人の女性が襲われる理由も無くなる。ウィンウィンだね!」

驚くルーン達にそう声をかけたハイパーウインメタル。こうしてレイダー星を苦しめ、地球をも巻き込んだ事件は終焉を迎えたのだった。


その後、レイダー星では様々な事が変ろうとしていた。全ての元凶であるゲラウスが地球人とその相棒であるロボットによって消滅したことは星中で大きな話題となった。そして、毒の粒子によって数が激減し、気象となり保護という名目で拘束されていたレイダー星時人女性達は、ルーンを含め全員が解放された。また、地球人女性を捕獲しては非道な実験を繰り返し、揚句の果てに自分たちの子供まで産ませようとした事実は政府関係者の間で隠されていたが、ウインメタルとエリカの手によって全てが暴露され、市民達からは政府に対し批判の声が上がった。これによって、これらの悪行に関わっていた政府関係者全員が逮捕され、政府関係者としての地位も失うに至ったのだった。一方でほぼ全員であろう地球人を始めて見るレイダー星の市民達は、メディアに公開された隼人達の姿に驚きを隠せなかったものの、長年苦しめられ続けたゲラウスを倒したという事で、はるか遠くの星から来た救世主と讃えた。そして、そんな隼人達も地球に帰れることが決まったのだった。

「ありがとう。わざわざ地球に帰る手配までしてくれて。」

「いえいえ、あなた方には迷惑をかけた上に星の危機まで救っていただいたのでこれ位は当然です。」

隼人は新たに就任した政府の代表であるレイダー星人とそう挨拶を交わした。今回隼人とエリカが地球に帰るにあたり、新体制となった政府関係者たちが宇宙船を用意してくれたのだった。

「二人とも、本当にありがとう。私達もこのレイダー星を再び豊かな星にするために頑張るから。」

ルーンは嬉しさと寂しさが混じったような感じで二人にそう声をかけた。そんなルーンにエリカも激励の言葉をかける。

「いえいえ。あなた達の協力が無ければ私達もどうなっていたか分かりません。私達も地球の為に頑張ります。」

そう挨拶している間にも、隼人とエリカがレイダー星を離れる時刻は迫ってきた。そして、二人は見送りに来たレイダー星の人々に手を振りながら挨拶すると、円盤へと足を向けた。今回宇宙船を操縦するのはルーンである。いろいろ助けてもらったお礼がしたいということで自ら志願したのだった。三人は円盤に乗り込み、ルーンは発進の準備をする。隼人とエリカは最後にもう一度レイダー星の景色と見送りに来たレイダー星の人々に目を向けた。

「じゃあ、二人とも行くわよ。準備はいい?」

「大丈夫だよ。」

「お願いします。」

二人がそう言うと、ルーンは円盤を完全に起動させ、離陸させた。

「発進準備完了、発進!」

その掛け声とともに円盤は猛スピードで上空へと飛び上がり、大気圏を突破した。

(さようなら、レイダー星。後はみんなでこの星を言い星にしてね。)

隼人は心の中でレイダー星にそうエールを送った。

「おっと、田中さんに報告しなくちゃ!」

そして、全てが終わってこれから地球に帰るメッセージも田中に送ったのだった。


一方その頃地球では。

「しかし信じられん。本当に宇宙の化け物を倒して帰ってくるなんて。自分が作ったものとはいえ、やっぱり凄いなあいつ。」

隼人から「ゲラウスを倒して、宇宙船の手配もできたからこれから地球に帰るね。」というメッセージを受け取った田中は、同じくその場にいた寺澤と共に到着予定地である郊外の草むらで待っていた。そして、見事に結果を出して戻ってくると分かった隼人とエリカに感心していたのだった。それは寺澤も同様だった。

「しかし、おたくの発明はどれも素晴らしいものばかりですな。こうして一気に二つの星を救ってしまったのですから。」

そう嬉しそうに言った寺澤は、更に満面の笑みで付け加えるように言った。

「それに、UFOと宇宙人と間近に対面できるチャンスが巡ってくるとは!私は何て幸せな男なんだ!」

「やっぱりそっちですか、あなたは…。」

苦笑いしながら田中はそう言った。そして、田中の持っていたタブレット端末からも声が聞こえた。

「隼人たちまだ来ないかなー?まあ、宇宙からじゃそんなに早く帰れなんて無茶ぶりよね。」

そう言ったのはアーニャだった。彼女も隼人達の事が心配死だったので、画面越しでいいから出迎えに立ち会わせてほしいと田中に頼んだのだった。そして、遂にその時が来たのだった。

「ん?」

「おお!」

「来たわ!」

三人が嬉しそうに上を見上げたその先には、銀色に輝く円盤が飛んでいた。そしてそれはどんどん近付いて来て、風を巻き起こしながら地上へと着陸した。着陸後、すぐにハッチが開き、待望の救世主二人が降りてきたのだった。

「みんな、ただいま!」

「無事帰還いたしました!ご迷惑をおかけして申し訳ございません!」

隼人とエリカは元気そうな様子で地表へとその足を付けた。田中達は嬉しそうに二人を出迎えた。

「おかえり!二人とも、本当によくやった!私は嬉しいぞ!」

「他の惑星で過ごせるなんてうらやましい!でも、よく生きて帰ってきました!」

「もう、心配したじゃない!あんた達は世界平和の為に必要なんだからあんまり無茶しないでよね!」

三人はそれぞれ隼人とエリカに声をかけて再会を喜んだ。そして、円盤からは二人を地球に送り届けたレイダー星人女性のルーンが現れた。

「あれが、レイダー星人か?」

「そうだよ、今回僕達の作戦に協力してくれたルーン。地球にまで送ってもらったんだ。」

「初めまして、地球のみなさん。私はレイダー星から来ましたルーンと申します。この度は、私の星の政府の身勝手な行動により、多大な迷惑をかけてしまい、申し訳ありませんでした。」

ルーンは挨拶するとともに田中達に謝罪をした。しかし、誰も咎める者はいなかった。

「いえいえ、大丈夫ですよ。私はウインメタルの開発者である田中だ。今回の件は隼人から聞いているけどきみは悪くないよ。むしろ、協力してくれて感謝している位だ。本当にありがとう。」

田中はそうルーンを労った。一方寺澤は今日一番の笑顔ではしゃいだ!

「素晴らしい!これが本物のレイダー星人!世界、いや宇宙はい広い!私は宇宙研究家の寺澤幸次郎!今日君に会えて凄く嬉しいよ!」

その様子をアーニャは画面越しに呆れながら言った。

「はぁ、せっかくの感動の場面なのに台無しじゃない。まあいいわ!とにかくありがとう!」

それぞれルーンにあいさつをすると、ルーンがその場にいた全員に言った。

「皆さん。今回はウインメタル達に救って頂いたおかげでレイダー星は平和を取り戻せました。そして、私はこの初めて降り立った地球に感動しています。レイダー星に無い青い空に美しい緑が多い景色。星は違えど大切なものだと分かります。ですから皆さんにお願いです。もう二度と、レイダー星のような悲劇を生みださないために環境を大切にしてください。ゲラウスみたいなものを生み出さないために。」

そう言ったルーン。そして隼人がそれに対して笑顔で答えた。

「勿論だよ。僕達は平和の為にいる。だから地球を守るために全力を尽くすよ!」

隼人のその言葉に、その場にいた全員が頷いた。それを見たルーンは安心した様子で言った。

「ありがとうございます。あなた達がいれば地球も安泰みたいですね。それでは私は帰ります。皆さんお元気で!」

ルーンはそう言うと円盤に戻り、再びレイダー星に向かって飛び去って行った。そして、みんながその様子を静かに見守っている。

「行っちゃったね。僕達は地球の平和の為にどこまでできるんだろう?」

隼人は思わずそう呟いた。それに対し、田中が答える。

「明確な答えは無いのかも知れない。だが、もし目の前に災いが来たら全力で戦って勝つしかないのかもな。」

田中のその答えにウインメタルは静かに頷くしかなかった。だが、彼の平和への思いは今回の件でさらに強まっていったのだった。

こんにちわ!

予想以上に長くなってしまいましたが、ようやくレイダー編が終了です。

これから新しい章に入ります!

お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ