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女神の願いを"片手ま"で  作者: 小原さわやか
女神の願いで…?
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3493手間

 話もひと段落したところで、ふと気になった事をクリスに聞いてみる。


「全く関係のないことではないが、なぜ暗殺などと言う極端な話になったのじゃ?」


「それは最近、暗殺関連の話をよく見るからね」


 護衛の増員を検討する話であれば、暗殺よりも普通のというのも何であるが、暴徒や野盗などの襲撃を警戒した方が良かったのではないだろうか。

 もちろん、屋敷での話なので襲撃よりはある意味現実的と言えなくもなかったのだが、クリスの暗殺関連の話をよく見るという言葉にワシは怪訝な顔をする。

 まさかそんなに頻繁に暗殺の報告を見るくらい、ワシが知らないだけで国内は今混乱を極めているのだろうか。


「あぁ、いや、小説の中でのことだよ」


「なんじゃ実際の話ではないのかえ」


「中には真に迫った物もあったから、実際にあった話をもとにしているかもしれないけれど、報告で見たという訳じゃないからね」


「そうかえ、それにしても最近の小説は、そんなに暗殺という文字を見るほど物騒な物ばかりなのかえ?」


「言われてみれば確かに、けれど話の中ではかなり暗殺が軽く扱われていたから、そこまで物騒とは感じなかったかな」


 近頃は文字を読める庶民だけでなく、貴族の中にも小説というモノが娯楽などとして定着してきた。

 故にクリスも人気のある作品には一通り目を通しているのだが、まさか流行りの作品でなぜ暗殺がそれほどまでに取りざたされているのか。


「これは僕自身の感想ではあるけれども、貴族にとっても庶民にとっても暗殺は一般的ではないが、その言葉の意味や危険性を理解できるからじゃないかな」


「一般的であってたまるかとは思うが、ふむ、確かにその恐ろしさを想像はしやすいかの」


 確かに暗殺と言われれば、実際どんなことが行われてるか分からずとも、ある程度はその文字から想像はしやすいか。

 それに対する恐怖は幽霊などと同じく実体のない、しかし幽霊と違い実際に危害を加えてくる恐怖というモノは読む者に強烈な印象を残してくれるだろう。

 事実、クリスが暗殺の話をわざわざ取り沙汰すくらいなのだから。

 だとしても話に上がるくらい、人気の小説の中には暗殺の話が溢れているのか。

 それはそれで恐ろしいのだが、一体どういう話の流れで暗殺が出てきているのか気になったワシは、折角であるしクリスにどういったモノが多いのかと聞いてみるのだった……

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