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女神の願いを"片手ま"で  作者: 小原さわやか
女神の願いで…?
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3490手間

 護衛云々の話からワシとクリスのどちらだったか、それとも別の誰かのふとした発言からだったのだろうか、何故か狙われるとしたらどこからだろうかという話になった。

 確かにそういった危険を予想予測し事前に対策を講じるのは良いのだが、それをこんな雑談のようなノリでやってもいいのだろうか。

 一応聞かれて不味いような者はこの場に居らず、逆にそれが役に立つ者ばかりなので問題がないと言えば問題は無いのだが。


「僕が狙われるとしたら、どういった理由かな」


「まぁ、すぐに思い浮かぶのは王位継承がらみじゃろうが」


「男の兄弟は居ないし、分家の者たちも僕よりも随分上か下かくらいしか居ないからね」


「カールを傀儡として担ぎ上げようにも、それはもう無理であろうしな」


 王家というのは良くも悪くも血筋というモノを重視する、分家などでは本筋が全滅くらいしないとダメであったり、民からの支持が得られない場合は、本筋の中で操りやすいほど馬鹿であったり、幼い子を王として担ぎ上げて自分は裏からその子たちを操って、実権を掌握するというのは事実でも書き物でも良くある話だ。


「地理的に言えば隣の所であろうが、あそこは確かまた小国に分裂したんじゃったかな」


「あぁ、後継者争いからまた小国群に戻ったと聞いている」


「ならばそこも無視してよいじゃろうな」


 そもそも一つの国としてまとまっていたとしても、わざわざクリスを狙う必要がないし、もし狙ったとしてもかの国は神国と今や友好国の王国とで完全に蓋をされているのだ、すりつぶされて終わるのが目に見えている。

 そして何より今は後継者争いからのごたごたで血みどろの戦争に突入したというのだから、こちらに構っている余裕などないだろう。


「まだ王は健在、クリスも王太子として様々な実績もあるし、更に後継にも問題はないと盤石じゃな」


「あとはセルカの場合だけれども」


「そもワシを狙うような阿呆はおるまい」


「普通はかなり狙われやすい立場の筈なんだけどねぇ……」


 ワシの場合は王太子妃という立場もであるが、各方面で恨みを買っているであろうし、本来ならば暗殺者がひっきりなしにやって来たとしてもおかしくはない。

 特に帝国の一部の者からすれば、末代まで恨んでいたとしてもおかしくはないが、今のところそういった者たちは見かけない。


「どこかが必死に抑えておるのじゃろうなぁ」


「抑えないと文字通り国が滅びるだろうしね、それはもう必死だろう」


 しかもとりあえず数十巡りだけ抑えておけばよいという話でもなく、これから何代にも渡ってそういった不穏分子を抑えなければならないのだ。

 それはそれで帝国の治安維持にも繋がるであろうし、彼らにとっても悪い話でもないのだから、これからも必死に抑えておいてもらおうと、そうなればやはり護衛を増やす理由が無いなという話に戻ってくるのだった……

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