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【電書、書籍発売】番外編 無関係だったわたしがあなたの子どもを生んだ訳  作者: キムラましゅろう


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過去を振り返って……メロディのメロはメロメロのメロ

ルシアンは二歳の誕生日を迎えた。


予定日よりも少しだけ早く生まれたルシアンだが、体重がしっかりあったおかげで病気一つせずすくすくと育ってくれた。


これでもし予定日通りに生まれていたなら4000グラム近い大きな赤ん坊になり、華奢なハノンは難産となっていたかもしれない。


それを考えれば生まれる時からしてお利口さんな子であった。


ルシアンは首が据わるのも寝返りも腰が据わるのも一人座りも掴まり立ちも伝え歩きも一人歩きも全て標準よりも早い方であった。


おかげでハノンは初めての育児、しかも女手一つ(時々オネェの手アリ)での子育てながらも随分と助けられた。


だけどそんな体の発育は良いルシアンだが、言葉の発達だけはわりとのんびりさんであった。


二歳になるのでそろそろ二語文で話し出す頃だと思うのだが、ルシアンはまだ一語分でしか話さない。


主に話す単語は「まま」「くましゃ(くまさん)」

「おやちゅ(おやつ)」


そして、「りぃた(メロディちゃん)」である。



「イヤん♡ルッシーたら、ちゃんとアタシの名前を覚えてるじゃナ~イ!」



ハノンの同僚(ホントは先輩)で、シングルマザーのハノンを支えてくれる頼もしい友人でもあるメロディが感激してルシアンを抱き上げた。


ハノンはマフラーを首元に巻きながらメロディに言う。


「そりゃあこれだけ頻繁に接していれば覚えるわよ」


「嬉しいぃ~ン♡舐めずりまわしたぁぁ~いン♡」


「舐めないでよっ?」


感極まってルシアンのふくふくのほっぺにキスをしまくるメロディにハノンは釘を刺した。


メロディは舌先をペロッと出しながら答える。


「いやぁネ☆舐めないわヨ~♡」


「未遂に終わるも危ういシチュエーションが多々あったと思うんだけれど?」


「ウフフ♡」


「まぁいいわ……それよりゴメンねメロディ。休日なのに子守りを頼んで……」


「いいのヨ♪アタシがルッシーとイチャイチャしたくて引き受けたんだから。それよりもアンタは諸々の用事を済ませて来なサーイ」


「うん、ありがとう。じゃあいってきます。ルシー、メロディちゃんとお利口にしていてね」


「うん!」


ルシアンは元気にお返事をして小さな手をふりふりしてバイバイした。


今日はハノンはルシアンをメロディに預けて、溜まっている用事を一気に片付ける予定だ。



二人でお留守番をする事になったルシアンとメロディ。


積み木をしたり粘土遊びをしたり、

幼児相手といえど少しの手抜きも手加減もせず、全力で一緒に遊んでくれるメロディがルシアンは大好きらしい。


「りぃた」


ルシアンはメロディの名を呼んで絵本を差し出す。


「なぁに?この絵本を読んで欲しいノ?」


「うん!」


「どれどれ……アラ、チーターの親子のお話なのね。いいわヨ、読んでア・ゲ・ル♪」


メロディはそう言ってルシアンを膝に乗せて絵本の読み聞かせを始めた。



「ライオンのオジサンは言いました『ゴォラッ、ワシのタテガミを三つ編みにしたのは誰だぁぁっ!?』」


「きゃははっ」


メロディは声色を変え、役になりきって絵本を読むので相当面白いらしい。

ルシアンは大喜びで笑いながら聞いていた。


やがてルシアンは若いメスチーターのイラストを指差して言った。


「りぃた!」


「え?このメスチーターがアタシだっていうの?」


「うん」


ルシアンは頷き、そして絵本に描かれているメスチーターの絵をヨシヨシした。

それを見たメロディの心の琴線に何かが触れた。


「もう!なんでアンタはそんなにカワイイのっ!このアタシをメロメロにしてどうする気なのヨっ!アタシの心の母乳がブシャァァッと噴出するじゃないのサっ!!」


「りぃた!めよめよ!」


「めよめよ?……あ、メロメロね!もうダメ、カワイすぎるっ!!」


そう言ってメロディはまさにメロメロになりながらルシアンのおでこやほっぺにキスをしまくった。




そしてそれから2時間くらいが経過した頃、

用事を済ませたハノンが帰宅した。



「え?ルシーをお風呂に入れてくれたの?」


明らかに湯上がりでほかほかの息子を見て、ハノンは目を丸くしていた。


「あー……ウン、まぁネ☆もう夕方近いし、ルッシーの入浴が済んでいたらアンタも楽デショ?」


「助かるわ。何から何までホントありがとうメロディ」


ハノンがルシアンを抱き上げてメロディに礼を告げる。


するとルシアンがハノンに言った。


「りぃた、ぺよぺよ」


「え?ぺよぺよって…ぺろぺろって言いたいの?」


「うん!りぃた、ぺよぺよ!」


ルシアンはそう言って自分のほっぺを指差した。


ハノンはそれを見て察する。



「メロディ……あなた、ルシアンを舐め倒したわね。だからお風呂に入れたんでしょう?」


「ギャッ!バレた!でもだってルッシーてばカワイ過ぎてハンパないんだもん!」


「前々から舐めそうな勢いだと思っていたけど、とうとうホントに舐めるとは……」


ハノンがジト目を向けるとメロディはまた舌先を出して誤魔化した。



ハノンは呆れながらも、いつも自分たち親子を助けてくれるこの友人には感謝しているので不問に付す事とした。



その後、もうメロディがルシアンを舐め倒す事は無かったが、変わらずルシアンに対してメロメロのメロディであったという。



そしてハノンは後になって気付く。


ルシアンの記念すべき初めての二語文が


「りぃた、ぺよぺよ」であった事に……。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



父親不在であまりにもフェリックスが不憫になってきたので次回は一緒に暮らし始めた頃のルシアンとフェリックスの様子をお届けします。


次の更新は木曜日です。よろちくび♡



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 逆にその頃の、探してるときの様子も知りたいかも。 噂やいろんな情報から探しても見つからない苛立ちとかね。 旦那様の(笑)
[一言] ハァ、1週間待ちました~!るちあん不足でした!
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