日常詩集④
詩:2段
ぼくは2段登りたい
君は、1段ずつだと言う
ぼくは2段登りたい
君は、これが1段だと言う
ぼくは2段登りたい
君は、一緒に登ろうと言う
ぼくは2段登りたい
君は、ぼくの袖を引っ張る
ぼくは2段登りたい
君は、大丈夫?と言ってくれる
ぼくは2段登りたい
君は、前へ進めたねと言ってくれる
ぼくは2段登りたい
君は、景色が綺麗だねと言ってくれる
ぼくは2段登りたい
でも、君となら1段ずつ登りたい
詩:胸の奥
胸の奥の温かさ
冷たいのに温かい
胸の奥の力強さ
儚いのに力強い
胸の奥に降り積もる
薄っすらと雪が降り積もる
君はあの時、笑っていたね
君はあの時、泣いていたね
君はあの時、喜んでいたね
君はあの時、悲しんでいたね
胸の奥がジーーンとする
雪をすくうとジーーンとする
そうか、そうかもしれない
この手の感触が愛かもしれない
胸の奥に降り積もる
愛のカケラが降り積もる
詩:血
血が赤く澱んでいる
君はニッコリ笑う
血が赤く濁っている
君はしたたかに笑う
血は流れ出した
君の口の中へ
血は流れ出した
君のお腹の中へ
ぼくらは一体となった
赤い血と青い血は混ざり合った
血は赤く澄んでいる
君はさようならと手を振る
血は赤く透き通っている
君の尻尾が左右に揺れる
血は巡り出した
君の息を乗せて
血は巡り出した
君の液を乗せて
ぼくは君を知っている
君には見覚えがある
そうか、君か
君が、サキュバスか




