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虐げられた男装令嬢、聖女だとわかって一発逆転!~身分を捨てて氷の騎士団長に溺愛される~  作者: 久遠れん
第一章

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第四十五話・これからの話

 お父様は最終的に全ての罪を過不足なく認めたことで、死罪ではなく流刑ですんだとエクセン王子から教えてもらった。


 お母様はお父様の悪事を知りながら放置したことで連帯責任として、お父様と共に流刑を言い渡されたという。


 私としては、お父様とお母様が死罪だろうと流刑だろうと、心底どうでもいい。もう二度と顔を見て声を聞かなくて済むという情報があれば、それだけでいいのだ。


 お父様もお母様も二度と王都の土を踏むことは許さず、と言い含められているというので、今後私たちの目の前に現れることはないだろう。


 お義兄様は正式にエラスティス公爵家の跡を継いで、今では公爵兼騎士団長だ。


 四大公爵家のうち、我が家を除く三大公爵家からは「養子とはいえ王族であり聖女であるリーベとの婚約者という立場」「公爵という地位」「第一騎士団騎士団長の地位」のどれか二つを返上するように強い要請があったとエクセン王子から聞いたが、一つ目は「あれほどの熱烈な愛の告白を見て二人を引き裂くとは何事か」と王妃様が窘め、二つ目は「儂が認めた地位に反意を示すのか」と陛下が怒りをちらつかせ、三つめは「先の魔物掃討で再編成中の騎士団からパシェンが抜ければ、王都は途端に魔物に攻め込まれ陥落するでしょうね」とエクセン王子が釘を刺したという。


 見事な連係プレーだったと聞いていて感心した。


 陛下を含めた王族の方々から個々に念を押されれば、いくら四大貴族とはいえ反論もしにくいだろう。


 私はと言えば、いままで受けてこなかった貴族教育を穴埋めするように王族としての教育を受けていて、さらには聖女としての教育も始まって、目まぐるしい日々を送っている。


 朝から晩まで予定がみっしりだが、私からすれば公爵家の片隅で埃と一緒に腐っていた頃に比べて、やりがいのある忙しさだった。


 フィーネとして騎士団で働いて得た体力も生かされて、へろへろになりながらも毎日の勉強を乗り切っている。


 私の住居は王宮に移り、お義兄様は公爵家に残ることになった。


 なので、必然的に会える時間は限られるのだが、公爵家の執事やメイドと違って、私たちの事情を全て把握した優秀な王宮の侍従長が私とお義兄様の予定を把握し、三日に一度はゆっくりとお茶をできる時間を設けてくれている。


 さらに一週間に一度はアミとのお茶会の予定も組んでくれているので、文句はない。優秀な人が傍に居ると、本当に助かる。


 私のスケジュールは私自身が把握することも難しいほど入り組んで組まれていたりするので。


 お茶会という場で適度な息抜きができるからこそ、私もストレスをため込むことなく日々を邁進できていた。


 私からお義兄様への呼称も変わった。変わらずお義兄様のことを「お義兄様」と呼んでいた私に、クルール様が「もう兄貴じゃないだろ」と呆れた声で告げて、隣にいたエクセン王子が「いまは私がリーベの兄だからね」と微笑んだためだ。


 私はお義兄様を「パシェン様」と呼ぶようになって、エクセン王子のことを「エクセンお義兄様」と呼ぶようになった。


 そうして日々を過ごすなか、私には少しだけ悩みがある。


 お義兄様が! とにかくモテるのだ!!


 正式に公爵家を継いだお義兄様は、今では公爵で騎士団長だ。


 地位の高さは王族の次だし、我が家は私が聖女であることも含めて、四大公爵家でも頭が一つ抜けている。


 だから、お義兄様はとにかくモテる。私がやきもきしている気持ちにお義兄様は気づいていないようだけれど、私は気が気ではない。


 そんな中、お義兄様の傍で微笑む一人の女性がいた。


 名前はベーゼ・トイフェ様。四大公爵家の一つの公爵令嬢だ。


 私が見かける度に、お義兄様の隣で優雅に微笑む彼女は、元々お父様が選出したお義兄様の婚約者候補だったと聞く。


 今ではただの知り合いだ、とお義兄様は言うけれど、私にはそうは思えない。


 だって。


『リーベ様はずいぶんと幼いのね』


 そう告げて妖艶に微笑むベーゼ様からは私への嫉妬と対抗心がビシバシと感じられて、嫌な気配がする。


 同時に。


 王族であり、第一王子であるデュール様に関する問題もあった。


 デュールお義兄様は王太子から外されてから、荒んでいるという。私が一度も顔を合わせたことのないデュールお義兄様は街で日々飲んだくれているというのだ。


 私のライバルのベーゼ公爵令嬢と、問題を抱えたデュールお義兄様。


 でも絶対! 私は負けないんだから!!


 お義兄様との甘々の日々をゲットするためなら、どんな問題だって解決してみせる!


 でも、お義兄様?


 別の女性と二人っきりになるのは止めてもらっていいですか?!



 * * *



「私、男遊びをしているリーベ様には負けなくってよ?」


 ありもしない話を口にして、ベーゼ公爵令嬢は自信満々に微笑んだ。



「小説家になろう」では第一部にて完とさせていただきます!


第二部はタイトルで検索していただければ、別所にて掲載しておりますので、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。


またこの後、番外を二作アップ予定です。

番外まで読んでいただけたら嬉しいですー!!!



面白い! と思っていただけた方は、ぜひとも


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