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ジェミニ改2打ち上げ

この物語は、もしも

「科学的な要望より先に政治的な理由で日本が有人宇宙飛行船を運用」

というシチュエーションでのシミュレーション小説です。

2020年頃の各国をモデルにし、組織名もそのままだが、

個人や計画そのものにモデルはあっても、実在のものではない、

あくまでも架空の物語として読んで下さい。

日本は貧乏性だから技術実証に対し「ついでに」を付け加える。

アメリカは技術実証は技術実証で専念する。

この件、アメリカは石橋を叩いて渡るどころか、石橋を、コピーし、破壊し、強度測定や限界値を測って、その限界値の8割くらいを実運用価にする慎重さを見せ、日本はアメリカから見れば冒険主義者である。

実際に冒険する者たちは、失敗は付き物と考え、その前提で入念に下準備をするのだろう。

冒険をするが、冒険主義でお気楽にやれていたのは19世紀までではないだろうか。

逆に冒険をせず、同じルーティーンをし続ける者たちは、失敗に対して不寛容だし、冒険する者に

「じゃあ、帰りに大根買って来て」

とか平気で言う。

日本の場合、宇宙開発黎明期を経験せず、気象衛星や通信衛星が実用化されて日常に入って来た頃に、アメリカからロケットを買って衛星を打ち上げ始めた為、どうも失敗しまくった上での安定という意識が薄い。

日本の宇宙開発の黎明期として糸川博士のペンシルロケットの実験があり、アメリカに誘導を断られて独自で作ったカッパーロケット、全段固形燃料なのに軌道上での再着火が可能なミューロケットという東大宇宙研から文部省宇宙科学研究所(ISAS)へと至る流れもあるが、学者の研究が庶民と遠かった為か、失敗や苦戦に注目されない。


そんな背景がある日米で、日本側は「既に成功している機体なのに、改修型をもう一回テストする必要が有るの?」と疑問視し、アメリカ側は「重心とか変わるんだから別物としてテストは当たり前でしょ」と言う、ジェミニ改バージョン2のテストが行われる。

日本側と言っても、無関係の外野が、未だに「我々の税金使って……」と勘違いしながら言っているもので、関係者一同は試験飛行の重要性を知っている。


アメリカでも流行った疫病や、社会運動の影響もあり、スケジュールが後ろにズレた。

日本程計画を後にズラしたのではないが、なんせアメリカは宇宙開発がビジネスとして成り立つ国であり、リスケする量が多い為、日本絡みは後回しにされたのだった。

それでも宇宙ステーション打ち上げはオンスケジュールなのだが、既に十分な数のジェミニ改を確保した上でのジェミニ改2の試験飛行は後回しにされた。


その為、人間等重量の人形を乗せた無人飛行と、宇宙飛行士を実際に乗せた試験飛行は日程が近くなった。

まずは無人での打ち上げが為される。

最大搭乗人数の4人分の椅子と人形が搭載されて打ち上げられた。


無事成功、結果だけ見ればそうだった。

NASAや開発したB社では、大気圏再突入直前の角度がやや深くなり、直前で微調整をした事を重要視し、自動航法プログラムの見直しを始める。

自分で「やや深い、着水想定範囲からはみ出す可能性」と判断し、自律で噴射制御をしたという意味で、異常時の対応は実証出来たが、そもそも所定のコースにすんなり乗れば問題が無い。

機械船の、帰還モジュール切り離し前の噴射がコンマ数秒長い、それにより角度が急になった、プログラムには問題無く、姿勢制御エンジンの反応速度レスポンスビリティに問題有り、噴射は良いが、噴射停止に問題有り、姿勢制御エンジンそのものの問題ではなく、使用された物固有の問題、……と問題を絞り込んでいった。

そして納品後の検品で、電気信号の反応だけでなく、物理的な動作も微速度撮影で確認するという手順で防げると分かり、試験続行となった。


試験2号機は、問題無く打ち上げから帰還まで成功した。

素人目に分からない部分まで含め、問題無し。

問題視された試験1号機も含めて、各種データを分析する。

ここで日本なら「もう大丈夫じゃないか」という意見も出そうだ。

アメリカでも素人は言うかもしれない。

B社は正式納入前に試験機は10機程作っていて、パーツだけのも入れたら20機分くらいは有る。

無人試験3回、有人試験2回を予定していて、その分は必要経費としている。

(こんだけ金が有るって事だなぁ)

とアメリカ詰めの小野職員は感心しているが、彼は大学院から直入所の為、社会人経験が無い。

日本でも、例えば自動車の新車とか、高速鉄道の新車両とかはこれ以上に慎重に何度も繰り返す。

宇宙開発では差が出ているだけだ。

これだけは、自分たちが新参の未熟者、失敗して当たり前だと言う意識が薄く、気が付いたら気象衛星の写真がテレビで毎日流れ、BS放送を観て、GPSで自動車運転やスマホゲームを楽しみ、世界をリードする小惑星探査をやっていた。

なんで失敗する? 出来てるのにそんなに試験が必要か? 試験多過ぎる、予算の無駄遣いじゃないか? となる。


その昔、紫電改という戦闘機があり、ベースとなった紫電という戦闘機は更に強風という水上戦闘機を改造していた。

二式水上戦闘機という零式戦闘機ゼロせんにフロートを付けた機体もあった。

素人は「浮き(フロート)を付けただけ/外しただけだから、簡単なものだろう」と言い、運用する海軍ですら「戦況が芳しくないから、簡単な改造で済むし、すぐに仕上げて欲しい、一から作るより早いだろ」という頭だった。

そんな簡単なものでは無かったが、技術陣が頑張ってどうにか完成させ、それなりに結果を出す機体に仕上げしまった。

「改」という機体は、どうも誤解されやすいようだ。


それはさておき、アメリカで2人乗りを最大4人乗りに改造した宇宙船の試験は続けられる。

現実世界では総理辞任しましたが、

作品世界での総理はまだ辞任しませんので。

現総理はモデルの一人ではありますが、

無茶ブリして来る上司のアイコンとして

色んな人をミックスさせた存在なので

計画世界とリンクはさせない予定です。

同じようにアメリカ大統領とかロシア大統領も、

個人名が付いてない人は現実とは無関係です。

アメリカの貿易赤字が解消されるとか、

そういう前提が変わるような話は反映させます。

そういう方針です。

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[一言] (自分のイメージだとここの総理はライオンヘアー)
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