魔王確定
ちょっと短いです
次に誰かが来て、魔王的な発言をしたら、なんてのんきなことを言っていたら、翌日にアザゼルが見つけてしまった。
(前方、観葉植物の裏、誰かいる)
俺は足に魔力を送り、一瞬で加速し、指示された場所を叩く。
何もなかったところに、一人の男が浮かび上がった。
ちなみに、今の加速は、特殊魔法の一つ、肉体強化魔法だ。
魔力を、放出せず、四分の体内の強化したいところに集めることで、硬度や、耐久度、運動能力などが飛躍的にアップする。
が、送り込む量を間違えると各部位が最悪破裂する。恐ろしいが、変な使い方さえしなければ便利な魔法だ。
体全体の硬化と、足の筋肉の増強、さらに風魔法によって空気抵抗を最低限にし、かつ追い風をつけることによって、俺の速度は飛躍的にアップし、ある程度の距離の間合いはゼロにできる。
だが、こんな技もソニックには通じないが。
閑話休題。
出てきた男をつかみ、質問した。
「なんで僕の後をつけているんですか?」
そうすると、男は俺に質問に答えることなく、こういった。
「擬態魔法が見破られるなんて!クソ魔王が!くたばれ!」
いきなりのファイアボール。しかも無詠唱。
なんとか結界を張って防御。
追いかけようとした時にはもうその男はいなかった。
毎度毎度逃げ足の速い奴ばっかなんだな。
(そういう風に育てられたるんだろ?要するにスパイみたいな存在。ってわけなんだろうよ。で、今回もまた魔王って言われたわけだが、信じてくれるか?)
まあ約束は約束だ。
信じてやらなくもない。
(その上から目線ムカつくなおい。俺の方が人生の先輩だぞ。まあ人じゃないけど)
うるさいな。別にどう話そうと勝手だろう?
どうせこの後もずっと一緒なんだ。こっちの方が親しみやすいし話しやすい。
(まあそれなら仕方ない、か)
ーーーーーーーーーー
そこから一ヶ月がたった。
それ以来、アザゼルが透明人間スパイを見つけることはなかった。
相手も、二回も見つかればさすがに懲りたのだろう。と、俺は思ったが、アザゼルは、こう言った。
(多分、まだどこかにいるんだろう。もう完全に、お前の中に魔王がいるということを相手側が確信したから、探知機を使う必要がなくなった。よって、俺は探知機から出る魔力の流れを感知できないから、見つけられない、というのが妥当だろう)
と。
しかし今になって思ったのだが、アザゼルお前、なんか秀才っぽいな。分析力もあるし、知識もある。魔王ってもっと脳筋って感じだと思ってた。
(何回も生き返っては死んで、生き返っては死んで、を繰り返してれば、そりゃあ覚えたくなくても覚えちまうもんだ)
と、アザゼルは言った。
え、ちょっと待って?
生き返って、死んで、生き返ってって、アザゼルは転生するの?
(魔王だからな。魔王の能力は、転生だ。転生を重ねるごとに強くなる。本来この力はある目的のための力なんだが……まだ言わないでおこう。長くなる)
そうか。
そうなのか、じゃあ、歴代の魔王って全部アザゼルな訳?
(ん。まあそういうことだな。みんな名前がアザゼルなわけではなく、前回がアザゼルだったってだけだがな。たとえば最初はサタンだった気がする)
なんか王道な名前だな。
ていうよりも、アザゼルって魔王の名前じゃなくないか?と前から思っていたんだが。
(そんなもんは名付けた奴に聞いてくれ。俺は知らない)
アザゼルは少し不機嫌そうだ。
アザゼル自身もこの名前を気に入ってないということだろうか。
まあ今、そんな話はどうでもいい。
問題なのは、アザゼルという魔王が、俺の中にはいて、そして、もしかするとそのせいで、命を狙われているかもしれないという事実だ。
この際意識がある間はずっと障壁でも貼っておくべきか。と、一瞬思ったが、それでは魔力が底をついてしまうんじゃないかとも思った。
すると、アザゼルが、
(お前なら、俺の補助を通して障壁を作れば、結界作る魔力より、回復する魔力の方が上回るから半永久的に使えるはずだ)
とコメント。
ずっと障壁が張れるってチートじゃないのか?
と一瞬思ったが、その後、アザゼルが、そんなのある程度の魔導師だったらみんなできると言ったので、なんだ、チートじゃないのか。と、少し落胆した。
まあとにかく、もしそれが本当なら、ずっと結界張っておくのもアリかもしれない、と、俺は結界をその場で結界を張った。
これをずっと維持し続けてれば問題ない。と、自分に言い聞かせ、俺は自分の部屋へと戻って行った。
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また、新たにもう1作品投稿しましたので、そちらもよろしくお願いします。




