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異世界最強の魔術師は包丁を手に (旧作 世界一の魔術師 大幅リメイク版)  作者: クリップキラー
少年期 前座 学校に行こう
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マヨ作り

調味料研究室や、キャビアン王の件については、瞬く間に学校中に広まった。

 とは言っても、信じる人信じない人といたのは事実だが。


 俺は、ありがたく教室を使わせてもらっている。

 味噌や醤油を作りのが第一目標だが、正直、醤油は味噌の上澄みで代用できるため、先に味噌を作ろうと思う。


 キャビアン王と先生に頼んで、結構な量の大豆を買ってもらった。

 必要な材料や桶なども揃え、後は作るだけ。


 授業の合間を使って作っていこうと思う。

 味噌作りには、温度管理がとても大事になってくるのだが、その点に関しては、この空き教室はすごかった。

 この教室に壁に使われている材質は、断熱材のような役割を果たし、熱を防ぐ、逃がさないのはもちろん、徹底した温度管理が可能になる。

 あいにく、寒さには弱いそうだが、熱に関しては、常に望んだ温度を保ちやすいようだ。

 味噌作りでは、麹菌が発達しやすい30度前後をキープすれば、味に多少の難は出るが、最短で4ヶ月もあれば作れてしまうだろう。

 最適な温度でなくても、6か月で作れるそうなので、おそらくそれで大丈夫なはず。


 俺は熟成までの工程をこの一週間で終わらせ、今日から熟成工程に入ろうとしていた。

 桶に詰め、蓋をして、あとは温度管理。 

 これだけ。あとは待つだけで勝手にできると。

 教室の特性のおかげで、こまめに温度管理をする必要がなくて助かった。

 

 仮に温度が下がっても、魔法を使えばすぐに気温の1度2度なんてすぐに上がる。

 これに関しては魔法文明に軍配が上がるな。

 

「よし」


 俺はそのまま仕込みを終わらせ、部屋の用意した熟成スペースに味噌の桶を置いていく。

 その時だった。


「何してるの?」


 不意に扉を開けて入ってきたのは、カルエルだった。


 カルエル。俺とは真逆で、精霊力を恐ろしく溜め込んだ少女だ。

 男子にも負けない元気の良さと、見た目の可愛さから、割と人気があるが、それはどうでもいい話。


「え?いや、ちょっとあるものを作ってて」


「その、あるものって何よ?って話をしてるの」


 カルエルはこちらに歩み寄ってきた。


「ちょっカルエル!まず、扉閉めて!で、できればこっちこないで!」


 俺がそういうと、カルエルが顔をしかめた。


「なにその言い方。私のことが嫌いなの?」


「あ、いや、そういうわけじゃなくて、その、扉閉めないと熱が逃げるのと、ここに入るときにはちゃんと手とか洗わないと、菌が……」


「冗談よ。そう。言われてみれば確かにこの部屋暑いわね。なんていうか……うん。暑い」


 カルエルは扉の方に戻り、そのまま部屋から出て、扉を閉めた。


「外で待ってるから。ガリューも早く出てきて!」


「わ、わかったよ」


 会話にも若干の冗談を織り交ぜながら、ところどころ俺のことを脅かしてくる。

 随分と策士な少女だ。


 俺は、すべての桶を並べて、手袋を取る。

 そのまま部屋の外に出る。扉を閉めて、鍵をかけ、カルエルの方へ。

 

「何?」

 

「ガリューさ。料理できるんでしょ?」


「え?ま、まあできないと言ったら嘘になったりならなかったり」


「はっきりしてよ。まあ、とにかく、それで相談があるんだけど」


 カルエルはわりと深刻そうな顔をしちった。


「な、なんだよ?」


「実は私、野菜が苦手なんだ。だから、何か野菜が食べやすくなるような料理ってないかな?って」


「な、何だそんなことか」


 深刻そうな顔をしていた割には、内容が大したことなくて、肩に入っていた力が抜けた。

 

「そんなことって言われても、私にとっちゃシンコクなの!」


 そうカルエルが言った。


「頑張って食べればいいじゃないか」


 正論で返すと。


「だ、だって、あんまり美味しくないし、しかも、ちゃんと全部食べないと、おばさんに怒られるでしょ?」


 と、返ってきた。

 実際、忍者の卵を養成する学校のおばちゃんではないが、食事を残すと結構怒られる。

 その上、この世界での野菜の調理法は、もっぱら炒めるか煮るか。

 煮ている場合は、ちょっとした味が染みつくが、炒めた場合は、せいぜい適当な塩の味しかせず、味もそんなに濃くないため、しょっぱいガムのような感じがするのは確かだ。

  

 それなら生でシャキシャキした歯ごたえを楽しんでいる方が、野菜なんてよっぽど美味しいとは俺も思っている。


 そうか、野菜を美味しく食べる。

 ドレッシングか?マヨネーズか?

 

 やっぱりそこらへんが妥当だな。


 どうせマヨネーズはいつか作ろうと思っていたし、カルエルのためにも、作ってあげてもいいか。

 と、思い、カルエルに伝えた。


「いいだろう。作ってやるよ。だけど、くれぐれも他の人に渡したりするなよ。面倒なことになりそうだから」


 面倒なこととは、俺も、僕も、私も欲しいと、人が群がっってくる可能性があるということだ。悪いが、俺一人で量産できるようなもんじゃないからな。

 作るのはわりと簡単だけど。


「わかった!ありがとうガリュー!」


「ああ。また今度、材料揃えたら一緒に作ろう。簡単にできるから、一緒に作った方がいいと思うよ」


「そう。わかった。できそうになったら呼んでね!楽しみにしてる」


 そう言ってカルエルは走って何処かへ行ってしまった。

 そうと決まれば。マヨネーズようの材料集めをしなくては。


 俺は、先生に頼んで、卵、油、などなどを買ってもらった。

 

 


 


 


 


マヨネーズ、いいですよね。どんな料理にも隠し味として入れるとコクが出ます。鳥の照り焼きなんかもバッチグーです。


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